【新聞ウォッチ】”虎の子”失い前途多難の東芝、半導体子会社を「日米韓」連合に売却決定

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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2017年9月21日付

●東芝メモリ日本勢主導、議決権過半へ「日米韓」近く契約(読売・1面)

●メキシコM7.1死者225人に(読売・1面)

●アウディ「Q5」新型(読売・8面)

●訪日旅行者2000万人突破、昨年より45日早く、ビザ緩和や航空増便で(読売・8面)

●三菱自、EV出展へ、東京モーターショー、SUVタイプ(毎日・7面)

●交通事故ゼロへ、千代田で警視庁出動式(毎日・25面)

●月末多忙でもプレミアムフライデー、企業トップ、見直し論百出(日経・13面)

●ブロックチェーン、車に、走行情報を管理(日経・14面)

ひとくちコメント

揺れに揺れ続けていた東芝の経営再建が大きな転機を迎えた。今年2月、半導体子会社の売却を表明して以降、各紙が東芝再建の迷走で1面トップを飾ることが、一体何回あったことだろう。

東芝は、きのう9月20日の取締役会で半導体子会社「東芝メモリ」の売却先として、“日米韓連合”の中心となっていた米投資ファンドのベインキャピタルグループに決定し、近日中に契約を結ぶと発表した。東芝は、半導体子会社の東芝メモリを売却して2018年3月末までに債務超過を解消し、株式上場を維持したい考えという。

きょうの読売、毎日、日経が1面トップで掲載。ほかの各紙も1面準トップや経済面、さらに、社説でも東京と日経が取り上げている。

それによると、買収総額は2兆円になる見通しで、売却によって、7400億円の財務改善効果を見込んでいるそうだ。

ただ、これで終止符が打てるというわけでもない。東芝と半導体事業で提携するウエスタンデジタルが売却を阻止する動きを見せているからで、売却の実現にはなお曲折も予想される。

朝日は「半導体売却見切り発車」とのタイトルで「しびれを切らした取引銀行に期限を切られ『見切り発車』での決着となった」として「売却差し止めの訴訟を抱え、独占禁止法上の審査もこれからだ」と伝えた。

また、東京は「公的資金で異例の救済」としながら「虎の子の『東芝メモリ』の売却が順調にいったとしても、稼ぎ頭を失い、前途多難だ」と指摘。毎日も「売却によって財務内容は改善するが『稼ぐ力』の低下は避けられない」と取り上げている。

ようやく一歩前進とはいえ、再び各紙が1面トップで「上場廃止」などの最悪の事態を報じる可能性もある。

《福田俊之》

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