【フランクフルトモーターショー2017】スイフト のイエローは欧州初、スポーツ はノーマルとの違いをより明確に

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スイフトとして欧州初のイエローをボディ色に採用。走りをより強調するデザインとした
  • スイフトとして欧州初のイエローをボディ色に採用。走りをより強調するデザインとした
  • “食いつき感”をデザインに取り入れて先行車への存在感を高めた
  • ワイド化されたボディに合わせてテールランプの形状も専用デザインとなった
  • 図太い日本出しマフラーは排気音にもかなりこだわったという
  • 基本デザインはノーマルと共通だが、随所に『スイフトスポーツ』らしさを取り入れている
  • シートは『スイフトスポーツ』専用。ロゴマークが入る
  • 最大トルク230Nmを発揮する1.4リットル直噴ターボエンジン「ブースタージェット」
  • サイドビューは意外におとなしめなデザイン

フランクフルトモーターショー会場のスズキスタンドには、日本では見慣れたイエローボディの『スイフト』が現れた。なんとこのイエローは欧州は初めて。背景をスズキの四輪デザイン部でスイフトのデザインを担当した結城康和氏に伺った。

3代目となるスズキ『スイフトスポーツ』は、結城氏によれば「スイフトの名前を冠しているものの、当初から別の車を作るつもりで開発に取り組んだ」と話す。ベースこそスイフトを使っていても、スズキが持つラインナップでもっともホットな走りを実現するため、多くの面で新規設計を行ったというわけだ。

まずはイエローボディの話から。実は、日本ではスイフトスポーツと言えば真っ先にこのイエローを思い起すが、欧州では違っていた。結城氏によれば「この色は今まで日本だけ。今後はJWRCで存在を印象づけたこのボディ色を、スイフトスポーツのイメージカラーとしてグローバルで展開する」のだという。それだけにカタログでは「イエローで身をまとったスイフトスポーツが全面的に展開されている」(結城氏)という。

ボディサイズはスイフト初の3ナンバー。ノーマルは幅が1695mmと5ナンバーサイズだったが、それよりも40mm拡大して1735mmとした。特にデザイン上で意識したのは“食いつき感”だと結城氏は話す。200km/hで突っ走ることも珍しくないアウトバーンでは存在感もきわめて重要。そのために、「フェンダーをを大きく張り出してロー&ワイドスタイルを強調。押し出し感を一段と高めている」(結城氏)という。

このデザインにしたことで、先行車のミラーには従来のスイフトを超える迫力ある姿が映るはずだ。特に「前後のバンパー周りはヘッドランプ以外すべて新設計で、(ボディのワイド化に伴い)リアのコンビネーションランプも新設計」(結城氏)で、「ズ太い日本のマフラーを与えることで、(乗る人にも)スポーツマインドを相当にくすぐるデザインとした」(結城氏)という。

エンジンはターボエンジンとなる1.4リットル直噴「ブースタージェット」を搭載。『エスクード』に先行搭載されたものと基本設計を共用するが、スイフトスポーツとしての走りを極めるため、中身はほぼ新規開発に近い手間をかけたようだ。特に230Nmにも及ぶ最大トルクは相当な走りが期待できそうだし、結城氏によれば「排気音のチューニングにもかなりこだわった」といい、そのサウンドはエンジンをかけた瞬間から走りをかき立ててくれそうだ。

日本では6MT以外に新規開発の6ATも用意されるが、欧州では6MTのみの展開。大半がMTを選ぶ欧州の人にとってはそれが普通なのだ。ただ、「AT車が大半の日本でMT比率が5割を超えているのはスイフトスポーツぐらい」(結城氏)で、スイフトスポーツに対する走りへの期待がいかに高いことを裏付ける。ただ、個人的な推測では従来用意されていたのはCVTであり、新開発の6ATが採用されたことでこれを選ぶユーザーが増えるのではないかと見る。

一方で「セーフティパッケージは6MTでも選択できるようにした」(結城氏)という。欧州ではすでにこうした安全装備がユーロNCAPでの条件となっており、それを搭載していないと“安全性が低い”と判断されかねない。この対応は日本仕様にも反映され、6MT車でもACCが使えるようになるのは喜ばしいことだ。より安全に快適に圧倒的な走りのパフォーマンスが楽しめる。新型スイフトスポーツはそんなクルマに仕上がったようだ。

《会田肇》

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