【WEC】来季は「ルマンが2回」…年またぎシーズン制への移行により、18年5月~19年6月の変則日程に

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2017年6月に開催されたルマン24時間レース(今季WEC第3戦)の模様。
  • 2017年6月に開催されたルマン24時間レース(今季WEC第3戦)の模様。
  • 2017年6月に開催されたルマン24時間レース(今季WEC第3戦)の模様。
  • 2017年6月に開催されたルマン24時間レース(今季WEC第3戦)の模様。
  • 今週開催されている2017年WEC第5戦メキシコの模様。
  • 今週開催されている2017年WEC第5戦メキシコの模様。
  • 今週開催されている2017年WEC第5戦メキシコの模様。

世界耐久選手権(WEC)の来季以降に関する新機軸が、9月1日にシリーズ側とルマン24時間レース主催団体のACOから公表された。来季は2018/2019シーズンというかたちになり、2回のルマン24時間を含む全8戦の予定となる。

昨季限りでアウディが、今季限りでポルシェが最上位カテゴリー「LMP1-H」からそれぞれワークス撤退という状況は、やはりWECに大きな変革を強いることになった。今回の発表のなかでは「いくつかのマニュファクチャラーの撤退が、既に進行中だったシリーズの変革を加速した」という旨の表現がなされているが、急を要する事態であることは明白だ。

LMGTE戦線の活況とは対照的に、このままだとワークス参戦メーカーがトヨタのみとなってしまうLMP1-H(H=ハイブリッド)を含めた、LMP1クラスの在り方(特にコスト面)についても見直される。それらを含めて詳細はまだこれから、というところではあるが、今回示された来季の暫定カレンダーを見るだけでも変革の規模が小さくはないことが分かる。

2012年の発足以来、「年=季(シーズン)」であった現行WECだが、これからは6月のルマン24時間レースをシーズン最終戦とする流れに移行することとなった。

フォーミュラE、あるいはサッカーの欧州主要リーグなどに見られる「年跨ぎのシーズン構成」をWECも採択する。今季=2017シーズンの次は「2018/2019シーズン」となり、移行期にあたる来季は18年5月に開幕して19年6月のルマン24時間で閉幕する変則日程に。つまり、ルマンが1季に2回入るという異例のシーズンになる。

■WEC 2018/2019シーズン 暫定日程
プロローグテスト 2018年4月5~6日 ポールリカール(フランス)
第1戦 2018年5月4~5日 スパ・フランコルシャン6時間(ベルギー)
第2戦 2018年6月16~17日 ルマン24時間(フランス)
第3戦 2018年10月13~14日 富士6時間(日本)
第4戦 2018年11月3~4日 上海6時間(中国)
第5戦 2019年2月 (開催地未定)
第6戦 2019年3月15~16日 セブリング12時間(アメリカ)
第7戦 2019年5月3~4日 スパ・フランコルシャン6時間(ベルギー)
第8戦 2019年6月15~16日 ルマン24時間(フランス)

実戦期間だけで1年2カ月に及ぶロングシーズンとはいえ、レース数は今季(2017年)から1戦減。翌2019/2020シーズンはさらに1戦減らして全7戦とする意向も示されている(主眼はプライベーター等の参戦コストダウン)。

もちろん、ルマン後に始まってルマンで閉幕する通常の1年サイクルがスタートする2019/2020シーズンのレース数が、移行期のために1年超の期間を有する2018/2019シーズンより減るのは当然。スパとルマンの開催時期を考慮すれば2018/2019シーズンから2019/2020シーズンにかけては実質1戦増という見方もできる。

だが、来季以降に向けては総体的に寂しい印象を拭えないのも正直なところだ。2018年という「年」に限って見た場合は、WECは4戦しかないことになる。そのなかで富士スピードウェイ戦が残っていることは日本のファンにとって朗報ではあるが。

なお、2018/2019シーズンの第6戦にラインナップされたセブリング12時間は、北米伝統の長距離レースイベント。現在はIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の一戦にもなっているが、2019年3月のレースは土曜の10~22時にIMSAの、そして日曜の0~12時にWECの12時間レースがそれぞれ実施される予定だ。

今季後半戦スタートとなる第5戦メキシコのレースウイーク(9月3日決勝)に入ったところでもたらされた、大きな動きの序奏。当面は残り5戦となったポルシェ対トヨタのコース上での戦いに注目したいところだが、トヨタがLMP1活動の今後をどうするのかを含めて、まだまだこれからもいろいろな変更や新機軸提唱が相次ぎそうなWEC&ルマンの周辺である。

《遠藤俊幸》

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