【ルノー カジャー】一刻も早くCセグメントに投入したいと、まずは限定車から

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ルノー・カジャーBose
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ルノー・ジャポンは8月31日より新型SUV、『カジャー』の限定車、「カジャーBose」を100台限定で発売した。来2018年1月より正式に販売が開始される前の先行限定発売である。

◇販売記録更新中のルノー・ジャポン

現状、ルノー・ジャポンの販売状況は、昨年の8月から13か月連続で同社設立以来の販売台数レコードを継続。今年の1から8月で5,000台を超え、昨年の1から12月期の5303台(JAIA調べ)を「9月の半ばぐらいで超える状況だ」とは、同社代表取締役社長の大極司氏の弁。

この台数増加は、「ひとえに『トゥインゴ』のヒット。そして、現在ネットワークの拡充を行っており、それらから台数の増加につながっている」と分析。このようにルノーはA/Bセグメントで確実な成長を遂げているが、ひとつ上のCセグメントでは、『メガーヌ』はすでに生産が終了し新型を待っている状態で、「インポーターとしてメインストリームであるCセグメントモデルは手薄だ。そこで本来来年1月の生産・販売計画を予定していたカジャーを、ルノーとの厳しい交渉をした結果100台のみ、今回日本向けに作ってもらった」と明かし、「なんとか早い段階で日本のユーザーにルノーのCセグメントSUVを紹介し、乗ってもらいたいという思いから、1月から販売されるカタログモデルとは若干仕様を変えて、限定車として投入する」と説明。

また、日本のSUV市場は右肩上がりで、「Cセグメントではハッチバックが7割と圧倒的で、SUVは2割ではあるものの、徐々にシェアを伸ばしているのがが現状だ」と話すのは同社マーケティング部マネージャーのフレデリック・ブレン氏だ。そして、「今年も様々な新車が投入されていることから、我々としてもカジャーを投入したかった」と述べた。

◇アクティブバカンスがコンセプト

カジャー のコンセプトは、“人生、アクティブバカンス”だ。「フランス人のバカンスは結構長く、その間、アクティブに楽しんでいる」とブレン氏。パリから地中海まで約1000km、アルプスまで500kmぐらいだ。「そうなると主な移動はクルマになり、その移動にはカジャーはもってこいだ」と話す。そして、現地には様々なアクティビティが豊富にあることから、「積極的に家族で楽しんでいるのだ」とコンセプトの背景を述べた。

カジャーには3つのUSPがある。ひとつはエモーショナルで情熱的なエクステリアデザイン。そして、モダンで高品質な運転環境、最後はレジャーに使える実用的なラゲッジ&リアシートだ。

エクステリアデザインについてブレン氏は、「いかにデザインスケッチを実車に落とし込めるかがポイントだった」と話す。スケッチから実車に至るまでには様々な制約等があり、イメージを含めて変わってしまうことがままあるのだが、そうならないようにした。「特にフロントとリア周りはスケッチの印象そのままだ」という。

また、SUVのデザインは直線基調が多い中、カジャーは曲線や曲面で構成され、「アスリートのような筋肉質を表現したデザインになっている」とブレン氏。更に、『ルーテシア』や『キャプチャー』のデザインを踏襲したドア周りの面構成も特徴だ。

フロントフェイスも近年のルノーデザインを踏まえてデザインされたうえで、メッキの部分がLEDヘッドライトの中に続いているようにすることで幅広く見せている。

◇これまでのルノーにない高品質感

モダンで高品質な運転環境についてブレン氏は、「インテリアは基本的に直線基調、特に質感に注意して開発され、これまでにない高い質感を実現している。そのために、サイドトリムやドアトリムにはソフトパッドを採用した」と説明。

メーターはTFTを採用。5色のカラーパターンを持ち4つのスタイルと組み合わせることが可能だ。また、センタークラスターの7インチのマルチファンクションスクリーンはタッチパネルを採用。R-Link 2を搭載することで、車両の機能や、音響、 Bluetooth、ミラーリンクなど多くの設定が可能だ。ブレン氏は、「このタッチスクリーンの完成度は高く、スムーズな動きはまるでiPhoneや iPadに近い操作感を持ち、非常に高品質だ」とコメントした。

◇長距離を楽にこなせる室内空間

最後のUSP、レジャーに使える実用的なラゲッジ&リアシートでは、「室内スペースを有効に使っている」とブレン氏はいう。フロントシート座面から天井までは905mm、リアは910mmとこれは『コレオス』とほぼ同じ数値だが、コレオスはカジャーより100mm全高が高いことを踏まえ、そう結論付ける。また、「室内幅はこのクラストップのスペースを確保している」と述べた。

シートは弾力性の異なるウレタンを採用。特に背もたれと腰は強くサポートされ、「乗り心地は前後ともに良好に仕上がっている。平気で3~4時間ぐらい止まらずに運転が出来るシートだ。これも“アクティブバカンス”に貢献している」と話す。

トランクの容量は527リットル。リアシートは6:4分割が可能で、荷室側からも簡単に倒すことが出来る。荷室床は二重構造になっており、ラゲッジボードを活用するとパーテーションとして荷室を仕切ることも可能だ。なお、リアシートを倒すなどでの荷室の最大容量は1478リットルだ。

今回、カジャーにはルノーとして初めて運転支援システムが導入された。日本仕様においても、フランスと全く同じレベルのものが搭載されている。

具体的には30km/hから140km/hの間で作動するエマージェンシーブレーキサポートや、70km/h以上で作動するレーンデパーチャーワーニング。これは例えば右車線にはみ出しそうな時には右スピーカーから、左の場合は左のスピーカーから警告音が出るもので、危険な方向を明確にしている。

そのほかブラインドスポットワーニングやオートハイロービーム、そして、クルマがハンドル操作を行い、ドライバーはアクセル、ブレーキ、ギアを操作する縦列、並列駐車対応のイージーパーキングアシストも装備された。

搭載されるエンジンは1200cc のターボエンジンで、最高出力は131ps、最大トルクは205Nmだ。組み合わされるトランスミッションはゲトラグ製湿式7速デュアルクラッチ。キャプチャーとルーテシアの6速乾式から進化し、「低速のギクシャク感がなくなり、シフトアップダウンがよりスムーズで、非常に上質な走りをする、Cセグメントに向いているパワートレインだ」とブレン氏は語る。

100台のみの限定販売となるカジャーBoseにはBOSEサウンドシステムを搭載。ブレン氏は「フロントセンタースピーカーに加え、ツイーターやフロントとリアのドアスピーカー、そしてトランクにはウーハー等があり、これにより素晴らしいサウンドを楽しみながらドライブをすることが可能だ」とコメント。

また限定車としては、大型パノラミックルーフも装備される。価格は344万円だ。

最後に大極氏は、「これから我々はCセグメントにおいても様々な新型車を投入することで、インポーターのメインストリーム(であるCセグメント)を攻めて行く」と意気込みを語った。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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