【JNCC 8耐G】引き継がれる伝統、記念すべき大会で若手チームが総合優勝!

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ル・マン式スタート
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バイクレースで8耐というと、毎年、鈴鹿で行なわれるロードレースの8時間耐久レースを思い浮かべる人が多いと思う。しかし、オフロードバイクにも8時間耐久エンデューロレースが存在する。

これまで33年間、8時間パワーエンデューロを主催してきたモトパワーレーシングが今年、閉店。モトパワーがエンデューロレースを復活させるまで伝統を引き継ごう、と日本最大のクロスカントリーレースJNCCが20日、人気のゲレンデコース爺ヶ岳スキー場を使って8時間耐久レースを開催した。

真夏の耐久レースは暑さとの戦いが大きく影響する。レース当日の爺ヶ岳は曇り模様、真夏にしては気温は上がらなかった。とはいえ8時間の長丁場、タフなレースには違いなかった。

2~3人でチームを組んでエントリーする者もいれば、アイアンマンと呼ばれる一人で8時間走りきる猛者も多かった。なんと、総エントリー215台に対して、64台がアイアンマン。

普段JNCCにエントリーしているチームもいれば、モトパワーの8耐に出ていたから、という理由でエントリーしていたチームも多く、和気藹々とした良い雰囲気の大会だった。

スタートは8耐の伝統を引き継ぎ、ル・マン式で行なわれた。

雨天でこそないが、コースの土は湿り気を帯び、レースが進むにつれてコンディションは悪化。どんどん轍は深くなり、ヒルクライムやウッズといったセクション以外でもツルツルした路面に足をとられ、転倒するライダーが続出した。

コースは全体的にガレ場が多く、ツルツルの路面に合わせて空気圧を下げたことから、パンクするマシンも多く、レース中盤ではパドックのいたるところでパンク修理をしているチームが見られた。

今回、JNCCの招待で2人のアメリカンライダーが来日した。今年のGNCCスノーシューで優勝した若手注目ライダー、R・ラッセルと、その師であり、JNCCのラストステージAAGPにも幾度か来日してくれているレジェンドライダー、R・ホーキンスだ。

R・ラッセルはワークス選抜という賞典外クラスで、チームMOTOCOWBELL RTの阿部佑哉とチームを組んだ。同じくワークス選抜の小池田猛、原田健司のハスクバーナ・ワークスチームと激戦を繰り広げたが、最後はラッセルが1周以上引き離し、トップチェッカーを受けた。

R・ラッセル
「初めてJNCC爺ヶ岳に来られて、非常に楽しく走ることができました。これもレースを手伝ってくれた多くの方のおかげです。チームメイトもとても速かったので、勝つことができてハッピーです。ありがとうございました!」

ワークス選抜2チームに続き、3位でゴールし、事実上の総合優勝を勝ち得たのは15歳の保坂修一、20歳の宇津野泰地のJNCC常連若手チーム。

保坂修一
「今日は比較的簡単なコースでしたが、時間が経つにつれハードになっていき、タイムが伸びにくい状態でした。お祭りなので順位関係なく、楽しく走るつもりでいましたが、思いの外、宇津野くんが順位を上げているので少しムキになって走っていたらオープンクラスでトップになってました。そこで優勝目指そうと一致団結して、優勝目指しました。宇津野くんはベストパートナーです!」

宇津野泰地
「コースがいつもよりも荒れていて大変だったのですが、二人で力を合わせて勝つことができました。タイヤはいつもシンコーさんを使ってるのですが、本当によくグリップして走れたのでよかったです! ありがとうございました」

そしてアイアンマンクラスではJNCCでもトップカテゴリーのAA-1クラスで活躍する石戸谷蓮。準優勝はエンデューロ世界選手権への挑戦も記憶に新しい大神智樹。

石戸谷蓮
「応援していただいたみなさん、ありがとうございました。アイアンマンにエントリーしたら、「友達いないの?」なんて言われちゃって(笑)。一人で淡々と楽しく走ってたのですが、でもやっぱり4~5時間走るとだいぶ飽きてきましたね(笑)。最終的に37周も走ったので、しばらく爺ヶ岳はいいやって思いました。今回はチームで出た方も、次はアイアンマンで出てみれば、本当の8耐の楽しさがわかるかもしれないので、オススメです」

《稲垣 正倫》

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