起源は常磐線の鉄橋…東武鉄道鬼怒川線の施設を登録有形文化財に答申

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鬼怒川線の砥川橋りょうを走るSL列車『大樹』(試運転)。トラスは常磐線の阿武隈川橋りょうで使っていたものを転用した。
  • 鬼怒川線の砥川橋りょうを走るSL列車『大樹』(試運転)。トラスは常磐線の阿武隈川橋りょうで使っていたものを転用した。
  • 砥川橋りょうのほかにも昭和初期に建設されたプラットホームやホームの上屋などが登録有形文化財に登録される。

文化審議会は7月21日、新たに244件の建造物を登録有形文化財に登録するよう文部科学大臣に答申した。交通関係では、東武鉄道の鬼怒川線(栃木県日光市)にある橋りょうなどが答申に盛り込まれた。

鬼怒川線は、下今市~新藤原間16.2kmを結ぶ鉄道路線。昭和初期に建設されたプラットホームなどの施設が多数残っている。今年8月10日からはSL列車『大樹』の運行が始まる予定だ。文化審議会は今回、下今市駅の旧跨(こ)線橋や大谷向駅のプラットホーム、砥川橋りょうなど鬼怒川線の施設7件を登録有形文化財に登録すべきとした。

砥川橋りょうは、鬼怒川線の大桑~新高徳間にある橋りょう。支間25.2mの上路プレートガーダー1連と支間61.9mの下路プラットトラス1連で構成されている。建設時期は1946年だが、トラスは日本鉄道磐城線(現在のJR常磐線)の阿武隈川橋りょう(宮城県)として1897年に架設されたものを転用した。文化審議会によると「明治期に遡るトラス橋の貴重な遺構」という。

交通関係ではこのほか、富士急行線谷村町駅(山梨県都留市)の駅舎・プラットホーム、城崎温泉ロープウェイ(兵庫県豊岡市)の駅舎も答申に盛り込まれた。

《草町義和》

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