【スーパーフォーミュラ 第3戦】熱暑の富士戦、制したのは石浦宏明…今季初勝利でシリーズ首位に浮上

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SF第3戦富士を制した#2 石浦宏明。
  • SF第3戦富士を制した#2 石浦宏明。
  • SF第3戦富士を制した#2 石浦宏明。
  • 左から優勝の立川祐路監督、2位ローゼンクヴィスト、優勝の石浦、3位ロッテラー。
  • 決勝2位の#7 ローゼンクヴィスト。
  • 今後の活躍も楽しみな#7 ローゼンクヴィスト。
  • 決勝3位の#36 ロッテラー。
  • 表彰式、2位ローゼンクヴィストと3位ロッテラーが握手。
  • 左から、2位ローゼンクヴィスト、優勝の立川監督と石浦、3位ロッテラー。

全日本スーパーフォーミュラ選手権(SF)第3戦は9日、富士スピードウェイにて決勝日を迎え、熱暑のコンディションでの戦いを制して石浦宏明(セルモインギング)が今季初優勝を飾った。石浦は自身2年ぶりの王座に向けてポイント首位に立っている。

レースウイーク3日間を通じてドライコンディションが続いた富士戦。午後2時10分過ぎ、炎天下で55周/250kmの“熱い戦い”の火蓋が切って落とされた。燃費的に1回のピットストップは必須で、そこでタイヤ交換をどうするかが戦略的な焦点となる。

予選で1-2を決めたセルモインギング勢はスタートで明暗。ポールポジションから#1 国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING/トヨタ)がトップをキープして発進、やがて独走気味の展開にもちこんでいくが、2番グリッドの僚友#2 石浦宏明は出遅れてオープニングラップ4番手に。

しかし、レース後半に状況は一変する。31周終了時にピットインして給油と4輪タイヤ交換した#1 国本が、翌周またもピットへ。「サスペンション系と思われるトラブルが出てしまいました」(セルモインギングの立川祐路監督)。#1 国本はピットインを繰り返したのち、最終的にはリタイアとなってしまった。

一方、序盤4番手を走っていた#2 石浦の方は「前の2台(2~3番手)よりコンマ5秒は速く走れるのに」という状況に陥っていたが、その2台が早い段階でピットに入るなど「展開に恵まれた面もあり」、#1 国本の戦線離脱時にはトップへ。38周目に給油と4輪タイヤ交換を済ませて以降も実質のトップは揺るぎなく、そのまま今季初優勝のチェッカーへと駆け抜けた。

優勝した#2 石浦宏明のコメント
「予選から流れが国本選手の方にあり、決勝でもスタートに失敗してしまって『厳しいかな』という感じでした。チームとしては1-2も見えていたので、国本選手のトラブルは残念です。ただ、自分としては展開に恵まれた部分もありましたし、(それだけでなく)自分がプッシュして走っていたことも見てくれている人には伝わったんじゃないかと思っています。精一杯走った結果が優勝につながりました。速いマシンを用意してくれたチームに感謝ですし、自分の力を出しきれた勝利なのでスッキリしています」

展開の利は確かにあったが、熱暑の影響なのかタイヤに異常を来して戦線離脱するなどしたマシンも複数あったなか、出遅れてもあきらめずにプッシュした#2 石浦のレース内容は見事なものだった。間違いなく、見ている人にも伝わったことだろう。

#2 石浦の優勝は昨年5月の岡山戦以来で通算4勝目。2年ぶり2度目の王座獲得へ向けて、この勝利でポイントリーダーの座に就いている。今回はセルモインギング勢の速さが、特に決勝レースで光った。今後、250kmレースが続く8~9月の戦いを彼らがこのまま優位に進めていく可能性も感じられる一戦であったといえるだろう。

決勝2位は、予選10位だった新人の#7 F.ローゼンクヴィスト(SUNOCO TEAM LEMANS/トヨタ)。初の富士だったローゼンクヴィストだが、マカオF3で2勝、最近もフォーミュラEで優勝するなどしてきている彼には初コースも大きな問題にならないようで、安定的に速いタイムを持続してジャンプアップに成功した。「ここまで上がれるとは期待していなかった。ハッピーだね」と、初表彰台ゲットの本人。早くも今季2度目の決勝ファステストラップも記録しており、今後の戦いでも注目される存在となりそうだ。

決勝3位は#36 A.ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM'S/トヨタ)。こちらも予選12位からの表彰台獲得となった。ロッテラーはポイント首位の座を手放したものの、2.5点差の2番手で#2 石浦を追う。決勝4位は2連勝ならなかった#19 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL/トヨタ)。

5位の#15 P.ガスリー(TEAM MUGEN/ホンダ)がホンダ勢の決勝最上位。最後は4位の#19 関口を追い詰めたガスリーだが、惜しくも0.035秒届かなかった。しかし、レッドブルF1のジュニアドライバーである彼が開幕前の好調を取り戻しつつある雰囲気なので、ローゼンクヴィストともども今季新顔の今後の活躍が一層楽しみになってきた。

決勝6位は#41 伊沢拓也(DOCOMO TEAM DANDELION RACING/ホンダ)。7位#37 中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM'S/トヨタ)、8位#20 J.マーデンボロー(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL/トヨタ)までがポイントを獲得した。上位フィニッシュの可能性もあった#18 小林可夢偉(KCMG/トヨタ)は終盤のピットイン時に大きなロスタイムが生じてしまい、最終結果15位。

SFの次戦第4戦は栃木県・ツインリンクもてぎが舞台となる。タイヤ2スペック制という焦点が増えることにもなるシリーズ折り返し点の一戦は、8月20日決勝の日程で開催される。

《遠藤俊幸》

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