6月17~25日に平野ボートヨコハママリーナ(横浜市)で開催された「夏フェス」。会期中には雨の日が多かったが、多くのマリンレジャーファンが自分にぴったりのボートを探しに来場した。筆者も会場を訪問、イベントの狙いなどについて担当者に話を伺った。
「今回も選りすぐりのボートをご紹介していますが、その中でも注目度の高いボートは、比較的リーズナブルな価格帯と、割り切った仕様、妥協なき性能をバランスよく実現させたスズキマリンの『FAVAS』(フェイバス)かもしれません」。マリーナの建物の前には陸置きで展示されていたほか、試乗艇も用意されており、ユーザーの関心の高さがうかがえる。
センターコンソールが、むき出しで設置されるこのモデルは、船体はヤンマーが手掛け、スズキマリンのエンジンを搭載する。キャビンがないのでフロアが広くとれてフラットな構造になっている。漁船も多数手がけてきたヤンマーのノウハウがなくつぎ込まれていて、各種機能のバランスの良さがウリのモデルなのだという。
エンジンに関しては、かつては軽自動車用のエンジンを流用したものもあったそうだが、この船に搭載されるエンジンは、スズキマリンがマリン用に専用設計したもの。その滑らかさと扱いやすさはユーザーからもすでに厚い信頼を集め、すでにファンの多いエンジンだ。
「ボートライフを楽しんでいるユーザーの買い替えサイクルは、早いと毎年という方もいますが、多くが5年から10年といったところでしょうか。ただ、その楽しさを知ってしまうと、レベルアップされたり、釣りをされる方であれば、大きな獲物や、もっと別の釣り場にも行ってみたいといった欲求が出てくるようで、割と具体的な希望をもって、よりご自分に最適な一艇を探し求められるという方も少なくありません」
船上での移動や、作業がしやすい、広くフラットなフロアや、扱いやすいコンソール廻りのこのタイプのボートは、ラインアップしているメーカーが少ないそうで、フェイバスは人気が高いという。
話を伺っている時に、フェイバスの試乗に出る来場者がいた。マリーナから小さなパンのお土産が手渡される。「焼きたてのパンですよ。実はこの港南台のシャルールさん、うちのお客様なのです」。海の仲間のご縁の広がり、しかもパンというのがまた横浜らしいといえるのではないだろうか。