【SUPER GT 鈴鹿テスト】ジェンソン・バトンがNSX-GTで走行…意欲高く「1000kmのレース本番が待ち遠しい」

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左からホンダの山本モータースポーツ部長、バトン、無限の手塚監督。
  • 左からホンダの山本モータースポーツ部長、バトン、無限の手塚監督。
  • 鈴鹿1000kmに参戦するバトンは今回の鈴鹿テストにも参加、会見に出席した。
  • バトンが乗る#16 NSX-GT。
  • バトンが乗り、コースインする#16 NSX-GT。
  • マシンに乗るバトン。
  • 走行後、僚友ドライバーやスタッフたちとの話では笑顔も。
  • 左から武藤英紀、バトン、中嶋大祐。このトリオで鈴鹿1000kmを戦う。
  • メディアセンターには異例の通知。

6日、SUPER GTのタイヤメーカーテストが鈴鹿サーキットで始まった。今季第6戦・鈴鹿1000kmへのスポット参戦が決まった元F1王者ジェンソン・バトンもホンダNSX-GTの実戦車両に乗り、まず午前中のセッションで11周を走行した。

GT500クラス8台、GT300クラス9台が参加し、ドライコンディションで始まった鈴鹿テスト(2日間の予定)。各陣営にとっては8月26~27日の鈴鹿1000kmを睨んだ重要な位置付けのテストである。ただ、世間的な注目を一身に集めるのは、先週、鈴鹿1000kmへの参戦と今回のテストへの参加が発表されたバトンだ。平日のテストだというのに、バトン所属チームのピット裏には“出待ち”の人の輪が広がるほど。

昨季までF1マクラーレン・ホンダのレギュラードライバーだったバトン(2009年F1王者)は、ホンダGT500勢の一角「TEAM MUGEN」からの鈴鹿1000km参戦が決まり、#16 MOTUL MUGEN NSX-GT(タイヤはヨコハマ)を同車のレギュラードライバーである武藤英紀&中嶋大祐とのトリオ編成でドライブすることになった。この日午前の2時間の走行セッションでは最後の約30分間、バトンがマシンに搭乗。

バトンは1回のピットインを挟んで6+5周の計11周を走り、計測ラップ7周のうちのベストは1分51秒753だった(以上、手元集計)。テストでのタイムなので単純比較にはまったく意味がないが、これは武藤のタイムの約1秒落ち。ちなみに午前中の全体最速タイムは#23 MOTUL AUTECH GT-R(タイヤはミシュラン)の1分48秒502だった。

走行後の会見でバトンは「It's good !」と午前の走行のフィーリングを振り返りつつ、「カートやF1でたくさんの素晴らしい思い出がある特別なサーキットに帰ってきて、またファンのみなさんの前で走ることができて嬉しい。屋根のあるクルマでレースをするのは初めてになるし、僕にとってSUPER GT参戦は大きなチャレンジになるが、ベストを尽くし、そして楽しくやりたいと思う。鈴鹿1000kmのレース本番が待ち遠しい」と意気込みを語った。

まだ30分の走行ではあるが、TEAM MUGENの手塚長孝監督によれば「レギュラードライバーとは違う視点から伝えてくれること(情報)もありました」と、さっそくF1王者の真価の片鱗を発揮しているバトン。自身も8月のレース本番に向け、「チームメイトとも多くの情報を共有させてもらっている。すべてを把握した状況で臨めるようにしていきたい」と、高い意欲を示している。

ホンダの山本雅史モータースポーツ部長によれば、バトン参戦話は「昨年のF1日本GPのレースウイークに東京でマクラーレンとホンダの面々が食事をした際の『GT500って面白いみたいだね。興味あるよ』というバトンの言葉が発端」とのこと。その後、年末のホンダレーシングサンクスデー(もてぎ)での16年参戦マシン試乗を経て、「(第3ドライバーを起用できる)鈴鹿1000kmに出てみる!?」という流れになったそうだ。

ドライバー、そしてファンのためではあるが、「ワールドチャンピオンの経験を入れることで、もっと(NSX勢を)強くしていきたい」のが山本部長の主眼。近年は苦戦傾向にあるNSX勢だけに、「本番での予選起用もあるかもしれません」(手塚監督)というくらいにいきなり好感触・好評価のバトン加入でどんな変化が生まれるか、楽しみなところとなってきた。

SUPER GT 鈴鹿テストは今日(6日)午後、そして明日と続く予定。バトンも参加続行の予定となっている。

《遠藤俊幸》

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