日立オートモティブシステムズ、48Vリチウムイオン電池パックを新開発…マイルドHV向け

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日立オートモティブシステムズの48Vリチウムイオン電池パック
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日立オートモティブシステムズは5月22日、出力密度を従来比1.25倍、エネルギー密度を従来比1.5倍に向上したマイルドハイブリッド車向け48Vリチウムイオン電池パックを新開発したと発表した。2019年度から量産する予定。

ここ数年、乗用車の燃費改善技術として、電池とモーターのパワーを使用して、ガソリンエンジンによる走行をアシストすることを目的としたマイルドハイブリッドシステムが、燃費の改善技術として注目されている。とくに欧州や中国では、比較的安価で燃費を改善できる技術として、48Vリチウムイオン電池によるマイルドハイブリッドシステムが急速に普及すると見込まれている。

日立オートモティブシステムズでは、こうした動向を踏まえ、従来から得意としてきたハイブリッド車向けリチウムイオン電池セルの製造技術と、バッテリーマネージメントシステム(BMS)技術を結集。マイルドハイブリッド車向け48Vリチウムイオン電池パックを開発した。

リチウムイオン電池は、リチウムイオンが電極の材料に出入りすることで充放電。これまでは、電池の出力密度を高める方法として、電極の膜厚を薄くして抵抗を減らすことが一般的だった。しかし、出力密度が高まる代わりに、蓄えられるエネルギーが減ってしまうという課題が。

そこで、新しいリチウムイオン電池パックは、セルの電極の構造をミクロンレベルで改良。リチウムイオンが流れやすい構造にすることで、薄くしなくても抵抗を低減し、出力密度を高めた。さらに、正極、負極それぞれの材料組成を改良し、単位重量あたりに蓄えられるリチウム量を増加させることでエネルギー密度を高めている。

同社は、「出力密度の向上により、モーターの加速アシストにおけるトルク性能を強化。最大出力は12kW以上を実現し、発進時の力強い走りを可能にした。また、最大入力は15kW以上を実現し、急減速時に生じる瞬間的に大きな回生エネルギーも回収可能とし、エネルギーの損失も低減。こうした入出力特性の向上に加え、エネルギー密度の増大により、燃費も向上させた」とコメントしている。

《森脇稔》

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