最強の蒸気機関車「デゴニ」が走る線路を延伸へ…山北町の有志が資金を募集中

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山北町鉄道公園D52線路延伸協議会のD52線路延伸募金。2000円以上から寄付を募る。
  • 山北町鉄道公園D52線路延伸協議会のD52線路延伸募金。2000円以上から寄付を募る。

山北町鉄道公園D52線路延伸協議会(山北D52会)は、山北町鉄道公園(神奈川県足柄上郡山北町)で保存されているD52形蒸気機関車(D52 70)の保存線路延伸資金を募集している。

D52形蒸気機関車は、1943年から1946年にかけて総勢285両が製造された貨物用蒸気機関車で、愛称は「デゴニ」。日本の蒸気機関車の中でも最大の牽引力、動輪上重量を誇ったことから「最強の蒸気機関車」と謳われていた。

おもに東海道・山陽本線で運用され、1944年に製造された山北町の70号機は広島に配置。1951年には国府津に転属となり御殿場線が終焉の地となった。山北町は御殿場線の沿線にあり、廃車後の1970年からは現在の鉄道公園に保存されるようになった。

その後はご多分に漏れず静態保存が続いていたが、山北町では国から支給される地方創生交付金の活用策としてD52 70の動態保存展示を発案。元・国鉄機関士の恒松孝仁さんに動態化が委託され、昨年10月、1968年の廃車以来、48年ぶりに圧縮空気による運行が実現した。

その後、不幸にも恒松さんは自動車事故で亡くなり、しばらく運行はストップしたが、若桜鉄道で圧縮空気によるC12形蒸気機関車の動態保存を手がけ、恒松さんとも交流があった谷口剛史さんの協力により、今年1月に再開された。

現在は長さ12mの線路で定期的に整備運行を行なっているが、延伸へ向けた恒松さんの遺志や、町の機運の高まりを受け、3月に山北D52会が設立。さらに100m延伸した全長120m区間で運行を行なうための募金活動が開始された。

この延伸には2000万円が必要と見込まれており、山北D52会では2000円以上からの寄付を募っている。募金は年度ごとに山北町へ寄付され、延伸のための資金などに充てられる。また、募金活動を行なうメンバーも募集しており、5月21日19時からは山北町商工会館で活動内容を説明するための役員会が開催されるという。

なお、5月は21・22日に整備運行が行なわれる。運行時間は21日が13時から15時まで、22日が10時から15時まで。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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