【カーオーディオ・インストール雑学】パワーアンプの取り付け方…クロスオーバーについて

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フォーカルのパワーアンプ『FPXシリーズ』の側面。「クロスオーバー機能」の操作が行えるようになっている。
  • フォーカルのパワーアンプ『FPXシリーズ』の側面。「クロスオーバー機能」の操作が行えるようになっている。

カーオーディオユニットの取り付けには、さまざまなノウハウが存在している。それらを1つ1つ解説している当連載。現在は「パワーアンプ」の取り付けにまつわるあれこれをご紹介している。今週は、これに搭載されている「クロスオーバー機能」にフォーカスする。

カーオーディオの「パワーアンプ」には、ほとんどの機種に「クロスオーバー機能」が搭載されている。しかしながら現代カーオーディオにおいては、当機能が使われることが少なくなってきた。というのも、「外部パワーアンプ」を使うような“本格的な”システムにおいては、「プロセッサー」が使われることが多く、その場合「クロスオーバー調整」は「プロセッサー」内で処理されるからである。

がしかし、「プロセッサー」を未搭載である場合は、当機能は実は、なかなかに使い勝手が良かったりする。であるのでこの機会に、「パワーアンプ」に搭載されている「クロスオーバー機能」の賢い使い方について解説してみようと思う。

仮にフロントスピーカーを2chアンプで鳴らしている、というシステムであった場合、もしもそのパワーアンプに「クロスオーバー機能」が搭載されていて、さらには“ハイパス”というモードがあったらしめたものだ。このモードは、「高音だけを通す」というものである。言い換えると、「低音をカットする機能」ということになる。

試しに、以下のような使い方をしてみてほしい。「クロスオーバー」切り替えを“ハイパス”側に設定する。そして“クロスオーバー周波数”を選択するツマミを、概ね80Hzあたりにセットしてみる(この設定値は、後からいろいろと切り替えて試してみるべし)。このように設定することで、80Hzあたりより低い音が緩やかに減衰していく状態を作り出せる。そうするとどんな聴こえ方になるのかというと…。

結果、低音がスッキリしてくるはずである。その理由は3つ。1つは低音のパワーが減ることで、ドア内部の共振が減ったから。もう1つは、ドアのスピーカーはそのあたりより低い音の再生を苦手としていて、苦手部分の音楽信号の量を減らしてやることにより負担が減ったから。3つ目は、苦手な低音はキレイに再生できていなかったので、そのキレイでない音をカットできたから。以上だ。

たったこれだけの操作で、聴こえ方は結構変わるはずだ。「プロセッサー」なしで「パワーアンプ」を使っていた方は、すぐにでも試していただきたい。

今回はここまでとさせていただく。次回もさらに、「クロスオーバー機能」について解説していく。お楽しみに。

【カーオーディオ・インストール雑学】パート10「パワーアンプの取り付け方」#05「クロスオーバーについて」

《太田祥三》

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