警察庁と国土交通省は、自動車業界団体に対して、現在実用化されている「自動運転」機能が「運転支援技術」で、運転者に代わって車が自律的に安全運転を行う完全な自動運転ではないことを自動車ユーザーに注意喚起することを要請した。
昨年11月に千葉県八千代市で、日産自動車の『セレナ』の試乗車が「プロパイロットシステム」を使用した走行中、運転者が前方停止車両を認識していたにも関わらず、自動車販売店の店員が自動で停止するのでブレーキを踏まないようアドバイスした結果、前方停止車両に追突する事故が発生した。この事故で停止していた車両に乗車中の2人が負傷した。衝突被害軽減ブレーキは、走行環境の影響から作動しなかったと見られる。
警察庁と国土交通省は、この事故を踏まえ日本自動車工業会、日本自動車輸入組合、日本自動車販売協会連合会、全国軽自動車協会連合会、日本中古自動車販売協会連合会に対し、自動車の販売時、販売店員が機能の限界や注意点を正しく理解した上で、自動車ユーザーに説明するように要請した。
日産自動車のプロパイロットシステムを含め、現在実用化されている「自動運転」機能は、運転者が責任を持って安全運転を行うことを前提とした「運転支援技術」で、運転者に代わって車が自律的に安全運転する、完全な自動運転ではない。このため、運転者は、機能の限界や注意点を正しく理解し、機能を過信せず、責任を持って安全運転を行う必要があるとしている。