3日、ポルシェが来季2017年の世界耐久選手権(WEC)LMP1クラスに臨む2台のマシンのドライバー編成を発表。今季限りでLMP1から撤退したアウディに所属していたアンドレ・ロッテラーのポルシェ移籍が正式に決まった。
2015、2016年と2年連続でドライバー&マニュファクチャラーの2冠タイトルを制覇したポルシェワークスは、来季もLMP1クラスに2台の「919 Hybrid」で参戦するが、計6人のドライバーのうち3人が今季とは異なる顔ぶれとなる。
マーク・ウェーバーが引退、そして今季のドライバーズタイトル獲得トリオのうち、マルク・リーブとロマン・デュマはポルシェ陣内での異動が既に決定済み。この3人に代わって919 Hybridのステアリングを握るのは、アール・バンバー、ニック・タンディ、そしてロッテラーに決まった。
バンバーとタンディは、2015年のルマン24時間レースにポルシェが3台体制で参戦した際に919 Hybridのドライバーを務めた経緯があり、当時はF1ドライバーのニコ・ヒュルケンベルグとのトリオで優勝している。
ロッテラーは長年アウディの主戦ドライバーとして活躍。2012年には現行WECの初代ドライバーズチャンピオンに輝き、ルマンでは通算3勝という、現在の耐久レース界を代表するドライバーだ。スーパーフォーミュラ等、日本での活躍でも知られ、アウディ撤退に伴う来季活動が注目されていたが、大方の予想どおりポルシェに移ってWEC LMP1参戦継続となった。
ドライバー編成は、今季王者では唯一LMP1チームに残った格好のニール・ジャニがロッテラー、そしてタンディと組み#1の919 Hybridをドライブ。#2が2015年王者のティモ・ベルンハルト&ブレンドン・ハートレーにバンバーを加えたトリオとなる。
また、来季からWECではGT部門にも世界選手権タイトルがかけられることとなったが(今季までの部門王座はカップの扱いだった)、ポルシェはこちらにもワークスとしての参戦を復活させる(今季のGT部門にもポルシェのマニュファクチャラー登録と参戦はあったが、ワークスとしてのものではなかった)。
なお、来季のWEC LMP1でポルシェと覇権を争うことになるトヨタの参戦陣容はまだ正式発表されていない。
今オフはWECにおけるアウディ撤退だけでなく、世界ラリー選手権(WRC)でもフォルクスワーゲン撤退という大きな出来事があり、最近ではF1の新王者ニコ・ロズベルグの電撃引退もあるなど、世界最高峰カテゴリーでのストーブリーグがいつになく騒がしい状況となっている。まずはWECにおける大きなピースであるロッテラーがポルシェという“おさまるべき場所”におさまったかたちだが、今後も各カテゴリーで注目の発表が続くことになりそうだ。