10月26~30日にホーチミン市で開催された「ベトナムインターナショナルモーターショー2016」(VIMS2016)。いわゆる「輸入車ショー」だったために出展ブランド数は多くなかったが、内容は充実したイベントだった。[写真18枚]
驚かされたのは、新型のポルシェ『パナメーラ』が早くもベトナムに上陸していたことだ。パナメーラがワールドプレミアされたのは、およそ1ヶ月前のパリモーターショー。ほかにもアウディ『Q2』やマセラティ『レヴァンテ』、メルセデス・ベンツの『Sクラス・カブリオレ』、同『Eクラス』など欧州でも販売がスタートしたばかりの車種が、プレス関係者や来場者から熱い視線を浴びていた。
ルノーのブースには『タリスマン』や『メガーヌ』のほかに『ダスター』や『サンデロ』も並べられていた。まだマイカー普及の進んでいない新興国では、ダチア車もルノーブランドで展開されている。これは比較的手の届きやすい価格帯にも商品展開することで、上級車もラインナップしているブランドに親近感を抱いてもらうための戦略。
モータースポーツに関連した展示がほとんど見られなかったのは、まだベトナムでは4輪モータースポーツが浸透していないことのあらわれだろうか。BMWがDTMマシンを展示した程度だった。また出展者リストには名を連ねていなかったが、ロシアのUAZも屋外にブースを展開。『ピックアップ』やSUVの『パトリオット』を展示していた。
全体的にはSUVやセダン、ハッチバックがまんべんなく展示され、特定のカテゴリーに人気が集中している様子はなかった。これはまだ国内自動車販売台数が年間25万台(2015年)という規模なので、トレンドと呼べるほどの傾向が出ていないということだろう。ただし2014年から比べると、販売台数は50パーセント以上の伸びを示しているということから、今後は少しずつベトナム人の嗜好が反映されるようになってきそうだ。
会場となったサイゴン・エキシビション&コンベンションセンター(SECC)はベトナム南部で最大の見本市会場だが、ホールはまだひとつだけで規模は小さい。ただし奥には広大な空き地が広がり、これから大幅に拡張されてゆくことが理解できる。モーターショーもまた、急速に成長してゆくことになりそうだ。