日本を代表する工具メーカーであるKTCが、同社のFacebookページで連載して好評を博している「なるほど!工具ノート」をオリジナル内容で書籍化、出版したのが「なるほど工具ノート~ねじを回すための工具編~」だ。
特長は工具の初心者でも、イラストを交えた誌面で工具の選び方や使い方を簡単に理解できる点にある。
若手女子社員自ら疑問を解決する工具ノートとは
この「なるほど工具ノート」を作っているのはKTCの若手女子社員(自らがイラストも担当)。自分で整備をやったことがなく、工具のジャンルや種類などにも詳しくなかったという女子社員が、工具に対するリアルな疑問を解き明かしていくという内容だ。
やさしい内容の冊子なので、工具初心者の女性はもちろん、工具の使い方を子供に教えるための教科書としても使えそう。工具を使ったさまざまな作業を安全に楽しくするためには、基本から分かりやすく教えてくれるこの手のテキストはありがたい。今回は「ねじを回すための工具編」と銘打たれ、ドライバーや六角レンチ、ラチェットなどの、ねじを回すための身近な工具が登場する。
どんな工具が良いのだろう? 素朴な疑問も解決出来る
そもそも工具を買おうと思った時に近所のホームセンターなどに出向くことが多いだろう。しかし数多く用意されている工具の中から、自分の用途に合ったアイテムを選ぶのはかなりハードルが高い。もっともポピュラーな工具の一つであるドライバーにも、先端部のサイズやグリップの形状など、さまざまなものが用意されている。これらのチョイスを間違ってしまうと、ねじの頭を痛める場合もある。そんなチョイスが紹介されているので参考にしてみよう。
さらに、使用条件や用途に合わせた工具の種類についても紹介。自分が行おうとしている作業に最適な工具がどれなのかを選ぶためのナビゲートにも注目。先端部がボール状になった六角棒レンチなら、六角穴付きボルトに対して斜めから使うことができることなども紹介。「この工具って何のために使うんだろう?」といった工具に対する素朴な疑問も一つ一つ説き明かしていく仕組みになっている。
使い方が違えば宝の持ち腐れ。正しい使用方法もしっかり解説
また工具は正しく使わないと最高のパフォーマンスを発揮できない。そこで、基本的な使い方についても紹介されている。例えば、ドライバーは押す力7に対して回す力3の割合で使うことで、固く締まったねじも緩めることができるといった内容。また、ねじを緩める方向/締める方向といった、ごくベーシックなことにも言及(ペットボトルを締めたり緩めたりするのと同じ方向であることが説明されている)。工具初心者にとって意外と知らないさまざまな基礎知識を身につけられる。
これから工具を揃えてメンテナンスやDIYを行おうと思っている読者なら、まずは「なるほど工具ノート~ねじを回すための工具編~」(KTCのオンラインショップなどで販売中)を手に取ってみると良いだろう。工具を使う魅力を理解でき、作業がますます楽しくなるはず。さらに実際に工具を使うことで、自分にとって“良い工具”も分かっていくので、ますます楽しさが倍増していく。長く工具ライフを楽しむためにもオススメの冊子だ。