2020年の東京オリンピックを控えた今、日本でも起きる可能性が最も高いといわれているのは「車両暴走系のテロ」だ。トラックなどの車両を暴走させ、多くの人たちを無差別に殺傷するというテロはヨーロッパで頻発したことも記憶に新しい。
こうしたテロを防ぐためには「クルマを物理的に走行できなくする」ということが求められるが、それを成し得るアイテムもテロ対策特殊装備展(SEECAT)では展示されている。
ひとつは可搬型のアイテムで「プロスパイク」というもの。スパイク(鋲)が取り付けられたストリップベースは金属製の箱に収められており、リモコンのスイッチひとつで作動。約5mの幅で道路いっぱいに広がるようになっている。スパイクは暴走する車両のタイヤに刺さり、中の空気を速やかに抜いてパンクさせる仕組みだ。
もうひとつが常設型のアイテム。いわゆる「ボラード(車止め)」だが、対暴走テロ用のものは非常に頑丈な構造となっていて、暴走しているトラックが突っ込んできたとしても、これを破壊してしまうだけの能力がある。パンクではなく、車両そのものを破壊して未然に防ぐ。
大型車が走行可能な公道に面した場所では、この両方を効果的に配置して暴走テロを未然に防ぐ対策が必要になりそうだ。