【日産自動車九州 1工場】新型 セレナ も製造、創業40年オーバーの老舗工場

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【日産自動車九州 1工場】新型 セレナ も製造、創業40年オーバーの老舗工場
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  • カルソニックカンセイ九州のオンサイトで製造されるインパネまわり
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  • シートなどの重いパーツは機械で運ばれ車内に入れられる
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九州で開催された日産『セレナ』の試乗会に合わせて、日産自動車九州の1工場(イチコウジョウ)が参加したジャーナリストなどに公開された。

日産自動車九州は日産車を製造する企業で、日産自動車の子会社。もともとは日産自動車の九州工場として1975年に創業、2011年に分社化され、日産自動車九州となった。隣接する敷地には日産車体九州が生産を行っている。この2社合わせて九州地区は非常に大きな生産拠点で、2015年度は国内生産の約7割は九州生産であった。

現在製造されているモデルは、セレナ、『ティアナ』、『エクストレイル』、『ローグ』(輸出車)。現在は2交代の生産体制が組まれている。九州地区は物価や地価などが神奈川に比べて安いこともあり、従業員の給料も抑えることができ、そのことなどがコストダウンにつながるという。また、工場近隣には関連サプライヤーが多数存在しているほか、国内はもとより中国や韓国にも近く、アジア地区への海上輸送が楽に行える。

とくに韓国との物流に関しては、日本のナンバープレートと韓国のナンバープレートの両方をつけた「ダブルナンバー」のトレーラーを使うことで経費と時間を節約している。つまりこうだ。日本から輸出する場合は、荷物を搭載したトレーラーをトレーラーヘッドでけん引しフェリーに乗船する。トレーラーヘッドは下船し、レーラーのみが韓国の港に到着。韓国側のトレーラーヘッドで韓国国内を移動させるという具合だ。こうすることで輸出時、輸入時の積み込みなどの手間を激減できている。新型セレナについて言えば九州、韓国、中国からの部品調達率が95%と、かなり現地調達を行っている状態。そのなかでも九州からの調達が増えている。

日産自動車九州の敷地面積は約72万坪でヤフオクドーム34個分(さすが九州の方は基本単位が違う)、建屋面積は約20万坪。建屋自体は旧・日産九州工場創業時のもので多少歴史を感じるというが、生産設備は最新のものを取り入れているという。

今回、見学していておもしろかったのは、インサイト、オンサイトと呼ばれる方式。従来、サプライヤーは必要な部品を工場に納入するだけだったが、インサイト・オンサイト方式では、サプライヤーが製造ラインすぐ横や敷地内などにサテライト工場のような形態で存在する。1工場の場合はラインサイドにカルソニックカンセイ九州がオンサイトしていて、インパネ関連を組み立てて供給している。こうした方式を採用することで、生産効率をアップしているわけだ。

ラインに流れているのはボディで、そこに取り付けられるべきパーツはラインの横のレール上にボディと並んで動いているワゴンの上にある。そのワゴンよりもひとまわり大きなワゴンがあって、そこには工具やネジなどがおかれている。この2つのワゴンのサイズが絶妙で、工具ワゴンの中を部品ワゴンが通り抜けられるようになっていた。

ワゴンはラインの外からパーツを載せてラインに入って来るのだが、そのときにはAGVと呼ばれる自動運転の電動車がワゴンを引っ張っている。何台かを連結したワゴンをAGVが引っ張っていて、まるで機関車が貨車を動かしているよう。このAGVは動力となる電気が減ると充電スポットで自動的に充電される。充電スポットではスティックのようなパーツがAGVに差し込まれ、1分もかからずに充電が終了していた。

〈取材協力:日産自動車〉

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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