【SUPER GT 第6戦】伝統の鈴鹿1000km、ポールは武藤英紀&ターベイ組のNSXが獲得

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GT500クラスのポールを獲得した#15 NSX。
  • GT500クラスのポールを獲得した#15 NSX。
  • GT500のポールを獲得した#15 NSXの(左から)武藤、道上監督、ターベイ。
  • GT500クラス予選2位の#46 GT-R。
  • GT500クラス予選3位の#12 GT-R。
  • GT500クラス予選4位の#19 RC F。
  • GT500クラス予選5位の#8 NSX。
  • GT500クラス予選12位の#1 GT-R。
  • GT300クラスのポールを獲得した#18 UPGARAGE BANDOH 86。

27日、SUPER GT第6戦「鈴鹿1000km」の公式予選が行なわれ、GT500クラスのポールポジションを武藤英紀&オリバー・ターベイ組のホンダNSX CONCEPT-GTが獲得した。GT300の予選トップは中山友貴&山田真之亮のUPGARAGE BANDOH 86。

予選日からかなりの数の観客がグランドスタンドを埋めるなか、真夏の風物詩的レースでもある「第45回インターナショナル鈴鹿1000km」の熱闘が今年もスタートした。公式予選はクラス別の2段階ノックアウト式で、午後2時30分、気温33度、路温は40度オーバーというコンディションのもとで始まる(路面ドライ)。

エントリーはGT500が15台、GT300が29台の計44台。決勝距離が通常の3倍以上となる今回は第3ドライバーの登録が認められており、GT300クラスでは約半数の陣営がこれを起用している。

また、GT500クラスでは#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R(タイヤはミシュラン=MI)の千代勝正が、前戦富士でのブレーキトラブルによるクラッシュで身体を傷めた影響により残念ながら欠場。代わって今回は高星明誠が本山哲のパートナーを務める(千代もサーキットには姿を見せており、完全回復まであと少しのようだ)。

GT500の予選を制したのは、今シーズン前半、苦闘が続いていたホンダNSX勢の一角 #15 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT(武藤英紀&O.ターベイ/ブリヂストン=BS)。前半戦の不振によりホンダ勢は全般にウエイトハンデ(獲得ドライバーズポイントに連動)が軽めということも材料としてはあるが、このところマシン自体がパフォーマンスアップ傾向にあるのも確か。手応えを増したマシンで武藤&ターベイがしっかり結果を導き出した。

#15 武藤英紀のコメント
「7月の鈴鹿テストでもマシンの調子が良く、その時のセットアップを(ベースに)持ち込んでいます。今回も朝の練習走行での走り出しからペースが良く、これならポール争いできるかな、という手応えが早い段階からありましたので、そのあとは燃料を積んで決勝用のセットアップを主にやりました。予選ではオリバーがQ1をトップで通過してくれて、マシンにも『問題ない』と言ってくれましたので、それを信じてQ2では思い切りアタックしました」

かなりの好感触のもとにレースウイークを進めている気配が感じられる#15 NSX陣営。GT500クラスで現在のNSX CONCEPT-GTが走っているのは3シーズン目だが(今季からノンハイブリッド仕様に)、先日ついに新型NSXの市販車が正式発表を迎えた折でもあり、ホンダの総本山・鈴鹿、しかも伝統ある鈴鹿1000kmという舞台で祝砲的な今季NSX勢初勝利を成し遂げられるか、注目される。

なお、#15 NSXのチーム監督を務める道上龍にとっては次週、自身が選手として初参戦するWTCC(世界ツーリングカー選手権)もてぎ戦に向けての弾みがつくポールポジションともなった。

予選2位は#46 GT-R。前戦の不運もあってGT-R勢では最もウエイトハンデが軽いだけに今回は本命視されていたマシンでもあるが、千代の欠場というピンチでGT500デビューを代走として飾ることになった高星がしっかりQ1を突破。Q2では本山が#15 NSXとともに新コースレコードをマークし、ポール獲得こそならずも2位を確保した(本山のタイムは1分47秒587。#15 武藤は1分47秒456)。そして3位には前戦優勝の#12 カルソニック IMPUL GT-R(安田裕信&J-P.デ.オリベイラ/BS)。やはりGT-R勢は強く、決勝では好調#15 NSXに彼らが挑みかかりそうな形勢となっている。

ただ、ホンダ勢では#15 NSX以外にも2台がQ2へと進み、#8 ARTA NSX CONCEPT-GT(松浦孝亮&野尻智紀/BS)が5位、#17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT(塚越広大&小暮卓史/BS)が6位と3列目を占めた。もちろんメーカー団体戦ではなくチーム戦が基本のSUPER GTだが、ホンダ対日産の興味深い対決構図も見え隠れする上位グリッドの様相だ。なお、ポイント首位で上限100kgハンデの#1 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生&R.クインタレッリ/MI)は予選12位。

一方、レクサス勢にとっては前回の富士に続いて厳しい予選結果となった。ヨコハマ(YH)タイヤの#19 WedsSport ADVAN RC F(関口雄飛&国本雄資)は4位と好位置につけたが、BSを履く5台のなかでは#38 ZENT CERUMO RC F(立川祐路&石浦宏明)の8位が最高。長い1000kmで逆襲なるだろうか。

GT300クラスはマザーシャシー(MC)を使用しているマシンを含めたJAF-GT規定車勢がトップ5を占めた。予選1~5位は以下の通り(1、3、5位がMC)。

1位 #18 UPGARAGE BANDOH 86(中山友貴&山田真之亮/YH)
2位 #31 TOYOTA PRIUS apr GT(嵯峨宏紀&中山雄一/BS)
3位 #2 シンティアム・アップル・ロータス(高橋一穂&加藤寛規&牧野任祐/YH)
4位 #61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人&山内英輝/ダンロップ=DL)
5位 #25 VivaC 86 MC(土屋武士&松井孝允&山下健太/YH)

Q2では上位3台がクラス別コースレコードをマークしたが、この日の予選全体での最速タイムはQ1で#2 ロータスの第3ドライバー牧野がマークした1分57秒811。これがクラス新レコードになると見られる。なお、FIA-GT3規定マシンでは#0 GAINER TANAX GT-R(A.クート&富田竜一郎/DL)の6位が予選最高位。

ポールを獲得した#18 UPGARAGE BANDOH 86の中山は「去年もがいていただけに、結果が欲しかった」と語り、チームともに進めてきたマシン戦闘力熟成の成果を強調。「マザーシャシー車は単独で走れた方が速さがより活きる」との旨も語り、絶好のポール発進を僚友・山田とともに決勝でも好結果につなげる構えだ。

500、300の両クラスとも焦点豊富な決勝1000kmレースは、明日(28日)の午後12時30分に開戦予定。173周、ドライなら6時間弱の戦いと予想されるが、雨の予報もあり、伝統の一戦は今年も予断を許さないレース展開となるだろう。

《遠藤俊幸》

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