【第100回 INDY500】新人ロッシ優勝…ホンダ勢の今季シリーズ戦初勝利が最大舞台で実現

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優勝の#98 アレクサンダー・ロッシ。
  • 優勝の#98 アレクサンダー・ロッシ。
  • 優勝の#98 アレクサンダー・ロッシ。
  • 優勝の#98 アレクサンダー・ロッシ。
  • #14 佐藤琢磨にとっては残念なレースになった。
  • #14 佐藤琢磨にとっては残念なレースになった。
  • ウイナーを援護する場面もあったという#28 ライアン・ハンターレイ。
  • 琢磨のチームメイト、#41 ジャック・ホークスワース。
  • インディ500は、第100回という節目の年の大会を終えた。

現地29日に決勝が開催され、ホンダエンジン搭載車で走った新人アレクサンダー・ロッシが優勝した「第100回インディ500」。このレースは今季インディカー・シリーズの第6戦でもあるが、ホンダ勢にとってのシーズン初勝利にもなった。

燃料残量と“格闘”しつつの最終盤、ロッシ(#98 Andretti Herta Autosport w/Curb-Agajanian)はファイナルラップ(200周目)では大きくペースを落としながらも逃げ切り、第100回というメモリアルイヤーのインディ500でルーキーウインの偉業を成し遂げた。

ロッシのコメント
「どこから(話を)はじめればいいんだろう、分からないよ。2月の時点ではインディカー(参戦)を考えられもしない状況にいたのに、今日こうしてインディ500に勝った。僕にチャンスをくれた素晴らしい人々に感謝したい。

最後は(作戦的に燃料面で)タイトな状況になることは分かっていた。ライアン(ハンターレイ=#28 Andretti Autosport/ホンダ)が最終盤に僕をトー(スリップストリーム)で引っ張って(燃費的に)助けてくれたこともあって、素晴らしいリザルトを得ることができた。

(インディ500優勝者が飲む恒例の)ミルクの味は、今まで味わったすべてのものより美味しかったね。僕は永久的にミルクのファンになったよ」

ロッシというと、多くの人がイタリア出身の偉大な2輪レーサー、バレンティーノ・ロッシを連想するところだろう。しかもバレンティーノにはF1テストドライブ等の4輪経験もあるため、「ロッシがインディ500優勝」と聞くと一瞬、勘違いもされるかもしれないが、もちろんこれは別人の偉業である。24歳のアメリカン、アレクサンダー・ロッシは昨年のF1数戦にマノー・チームから参戦したが、マシンが上位を望める状態にはなく、残念ながらさしたる戦果は収められなかった。今季からインディカー・シリーズに転身、いきなりとてつもないことをやってのけた。

ロッシの快挙は、今季シリーズ6戦目にしてホンダ勢の初勝利。ロッシもシリーズ戦初勝利だ。2位にカルロス・ムニョス(#26 Andretti Autosport)が入り、ホンダ勢の1-2フィニッシュ。シボレー勢の開幕からの連勝は5でストップし、シモン・パジェノー(#22 Team Penske、今回19位)の連勝も3で止まっている。

一方、同じホンダ勢でも佐藤琢磨(#14 AJ.Foyt Racing)にとって挑戦7年目のインディ500は残念なレースになった。後半のレース展開のなかでは一時2番手を走るシーンもあったりしたのだが、160周過ぎに12~13位あたりを走っていたところでウォールにヒットしてレース終了、26位というリザルトだった。

佐藤琢磨のコメント
「前半からトラフィック(集団走行)での走り辛さという問題を抱えていましたが、改善を狙ったピットでのダウンフォース増加やバランス調整もうまく機能しませんでした。ただ、その後で逆の方向をやってみたら、これはいいペースにつながりましたね。

我々の戦闘力が一気に上がるタイミングもありましたが、フルコースコーションのタイミングがわるくて順位が下がりました。そして中団で戦うなか、ターン4で突然アウト側にマシンが流され、壁にヒットしてしまいました。

第100回のインディ500に出場するチャンスを与えてもらえたことを深く感謝します。本当に特別なレースで、特別な体験となりました。いい結果を残せなかったことは本当に残念です」

インディカー・シリーズは最大舞台を終え、今後は残り10レースでシリーズタイトルをかけた争いへと転じていくことになる。次戦は来週末(6月4~5日)、デトロイトのベルアイル・レースウェイでの第7&8戦ダブルヘッダーだ。ホンダのさらなる巻き返しと、琢磨の復調なるかに注目が集まる。

《遠藤俊幸》

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