一部ディーゼル車に、排ガス試験を不正にクリアする違法なソフトウェアを搭載していたフォルクスワーゲングループ。同社の決算に、この問題が大きな影響を与えている。
これは4月28日、フォルクスワーゲングループがドイツで開催した年次決算会見の場で明らかにしたもの。同社は、「ディーゼル案件により、2015会計年度に合計162億ユーロ(約2兆円)の特別費用を計上。それが決算に反映されている」と公表した。
162億ユーロの特別費用のうち、最多を占めるのが78億ユーロ(約9620億円)の引当金。これは、ディーゼルエンジンに対する未決定の技術的対策および買い戻しに関わる費用に充当される予定。
これとは別に、70億ユーロ(約8635億円)の引当金も計上。これは、世界各国での訴訟リスクに備えたものとなる。
この結果、2015会計年度の決算書に特別項目として計上された損失の合計は、169億ユーロ(約2兆0850億円)に。ただし、同社のマティアス・ミュラーCEOは、「フォルクスワーゲングループの業績自体は、とても好調。幾つもの持続可能な事業の柱が構築されているため、企業としての体質は、これまで以上に揺るぎないものになっている」とコメントしている。