トヨタは24日、「北京モーターショー2016」のプレイベントにおいて、中国国内で2016年にも1.2リットル直噴ターボエンジン搭載車と、衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense」(トヨタ セーフティ センス、TSS)搭載車を発売すると発表した。
トヨタは2018年にPHV技術を投入した新型『カローラ』『レビン』に車両に搭載すると発表する一方で、既に日本や欧州で投入されている新型ターボエンジンを中国市場にも投入。環境への負荷低減と、ユーザーの「運転する心地よさ」の期待に応えるエンジンとしてアピールしていく。
技術担当の奥平総一郎専務によれば「これまでHV向けエンジンに採用してきたアトキンソンサイクル技術と従来エンジンで磨き上げた技術を集約し、加えて過給技術を取り入れて実現した次世代エンジン」という。
トヨタは、2050年に従来型エンジンのみを動力源とする車両をなくす「環境チャレンジ2050を掲げるが、それまでの間、燃費向上技術を惜しみなく投入することで従来型エンジンにおいても環境負荷低減を目指す。
安全技術としてのTSSは、「交通事故死者ゼロ」ビジョンをベースとした安全技術の一般として開発された。奥平氏は「トヨタは日本のマーケットにおいて約4割のシェアを持つが、その日本の交通事故死亡者数は年々着実に減少した」と説明。その成果に対しては、「自動車メーカーの努力が少なからず貢献したと考えている」(奥平氏)とも語った。
現在、トヨタは2020年の実用化へ向け、高速道路の入口から出口までの自動走行を実現しているところ。この技術をベースに予防安全技術として開発したのが「衝突回避支援パッケージ Toyota Safety Sense」だ。
投入するTSSは、“プリ・コリジョンシステム” “レーン・デパーチャー・アラート” “レーダー・クルーズ・コントロール”の3つの機能を融合したもの。これは日本で投入されている「TSS P」に近い。これらは「死亡事故の発生割合が高い事故形態に対応したもの」(奥平氏) だという。