マツダ、環境負荷少ない独自水性塗装技術のグローバル展開開始

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  • マツダ 菖蒲田清孝 専務執行役員

マツダは環境負荷の少ない独自の水性塗装技術であるアクアテック塗装のグローバル展開に着手した。中国江蘇省にある車両工場で2015年末までに導入を完了したのに続き、海外の主力工場であるメキシコ、タイなどにも順次展開していく計画。

マツダは塗装工程で排出される揮発性有機化合物(VOC)削減の取り組みとして、他社が水性塗料への置き換えを進める中、既存の油性塗装工法のままVOCだけでなく二酸化炭素(CO2)の排出も同時に削減できる手法として、中塗り後の乾燥を行わずに中塗り、ベース、クリアの3層をウェットな状態で塗り重ねるスリーウェットオン塗装を開発。05年に国内全工場、08年までに海外主要工場に導入を完了した。

アクアテック塗装は、VOC削減に効果のあるもののCO2の排出量が増加する水性塗料を使用しながら、油性スリーウェットオンよりもVOCとCO2排出量を同時に削減したマツダの独自工法。量産中の既存レイアウトを活用しつつ、生産を止めることなく切り替えを可能にしたのも特徴で、まず広島県にある宇品第1工場に12年に導入した。

その第2弾として中国江蘇省にある長安マツダ汽車有限公司(CMA)にアクアテック塗装を15年から導入を開始し、宇品工場と同等の塗装品質を実現した。

マツダの菖蒲田清孝専務執行役員は4月14日、広島県にある本社で会見し、「日本での知見を100%活用したことで、日本よりも安く導入できた。立ち上がった後の品質確保にかけるローンチコストも抑えることができた」と評価。

その上で「この積み重ねをやっていくことで、よりスムースな切り替えが今後の海外展開でもできると考えている」と述べた。他の海外工場への具体的な導入スケジュールは示されなかったものの、菖蒲田専務は「タイやメキシコの拠点は、アクアテックに切り替えられる対策を初期の段階から織り込んでいる」ことを明らかにした。

《小松哲也》

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