「インドネシア国際モーターショー(IIMS)2016」が4月7日より開催されている。8日からは一般デーとなったが、午前11時に開門すると大勢の来場者が訪れた。昨年、分裂開催となった影響を受けて大幅な入場者減となったIIMSだが、今年の実績はどうなるか。
実は、インドネシアでは現在、“国際”と名が付くモーターショーが2つ開かれている。一つは今回開催されたIIMSと、もう一つが8月に開催を予定している「ガイキンド インドネシア国際オートショー(GIIAS)」だ。GIIASを主催するのはインドネシア自動車工業会(ガイキンド)だが、一昨年まではIIMSとして1つにまとまって開催していた。
それが昨年、主催者と自動車業界の思惑が対立して事実上の「分裂開催」となった経緯がある。しかも、プレスカンファレンスの日程こそ一日ずれたが一般公開日はまったく同じスケジュールで開催。市場の9割を占める日系メーカーがGIIASの方に出展し、IIMSはディーラー主催にとどまることになった。
その結果、昨年の実績は明暗が大きく分かれた。入場者数はGIIASが45万1645人、IIMSが35万9374人となり、背景を踏まえればIIMSがかなり健闘したようにも見えるが、最も重要な販売台数では大きな差がついた。GIIASが販売台数1万9380台、車両売上げ5兆7768億4611万3009ルピア(約578億円)を記録したのに対し、IIMSは販売台数4894台、車両売上げ1兆6360億ルピア(約164億円)にとどまったのだ。
その状況を踏まえ、IIMSは今年、時期を4月にずらして開催することとした。インドネシアのモハマッド・ユスフ・カラ副大統領はIIMSのオープニングセレモニーで「今や自動車は必需品であり、今後は自家用車が移動の主流になっていく。経済面でも自動車産業の重要性が高まっている」と述べたが、2つのモーターショーが時期をずらして開催することで需要の盛り上がりを期待する声は大きい。
特にインドネシアでは、ディーラーよりもショッピングモールや特別なイベントで新車を購入する傾向にある。ジャカルタでは6月にインドネシア関連の様々な商品が並ぶ「ジャカルタ・フェア」が開催されるが、ここでも全自動車メーカーが出展(というか“出店”?)し、新車の販売を行う。つまり、インドネシアではこうしたイベントが需要拡大に欠かせない存在になっているわけだ。