【SUPER GT 第1戦】GT500、王者ニスモGT-R&ミシュラン逆転快勝…次生は単独最多17勝目

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優勝の#1 GT-R。
  • 優勝の#1 GT-R。
  • 勝利を喜ぶ松田とクインタレッリ。
  • GT500クラスの表彰式。
  • GT500クラスのスタート。ポール発進の#37 RC Fは決勝2位に。
  • 3位の#46 GT-R。
  • 4位の#6 RC F。
  • 5位の#12 GT-R。
  • 6位の#38 RC F。

10日、SUPER GTシリーズの今季開幕戦が岡山国際サーキットで決勝日を迎え、GT500クラスは2連覇中のニスモ組GT-R、松田次生&ロニー・クインタレッリが優勝。松田は単独最多となる通算17勝目をあげている。

決勝日も岡山はドライコンディション。レクサスRC F、日産GT-R、ホンダNSXによるGT500クラスの覇権争いが今年も始まった。出走は15台、内訳はレクサス6台、日産4台、そしてホンダ5台である。これに4社参戦のタイヤ戦争が彩りを添えるのも例年同様だ。

スタートはほぼ順当で、上位はポール発進の#37 KeePer TOM'S RC F(J.ロシター&平川亮/タイヤはブリヂストン=BS)を先頭に予選順位通り、#6 WAKO'S 4CR RC F(大嶋和也&A.カルダレッリ/BS)、#1 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生&R.クインタレッリ/ミシュラン=MI)、#46 S Road CRAFTSPORTS GT-R(本山哲&千代勝正/MI)と続く比較的平穏な展開で進んだ。しかし前半担当ドライバーのパートの中盤に差しかかる頃から3番手、クインタレッリ駆る#1 GT-Rの調子が上がってくる。28周目、#1 GT-Rは#6 RC Fをパスして2位に浮上。さらに首位#37 RC Fにも迫っていく。

結果検証の視点から言えば、上位4台の決勝中の最速ラップはBS装着RC Fの2台(#37と#6)の方が速かった。だが、各ドライバーのパートの中盤から後半になると、その時点では(タイヤカスによる影響を含めた)いろいろな意味で、MI装着GT-R(#1と#46)の方が速く走れていたのである。今回はそれがダイレクトに勝敗を左右することになった。

各車がドライバー交代、タイヤ交換、給油等のためのルーティンピットストップを終えると、先頭は#1 GT-Rで独走に近い状態。2番手に#37 RC F、3番手に#6 RC F、4番手に#46 GT-Rとなるが、今度は#46 GT-Rが追い上げに転じる。#6 RC Fを52周目にかわし、さらに2番手の#37 RC Fにも接近。この平川(#37)と千代(#46)の若手対決は、GT500フル参戦という意味では1年先輩にあたる平川がギリギリの攻防を何度もしのいで新人の千代を下し、2位を守りきる。しかし、MI装着GT-Rの1-2を阻止するのが精一杯で、先頭の#1 GT-Rには最終的に15秒差の“逆転快勝”を許すこととなった。

3月の公式テスト(岡山~富士)ではベストラップ順位で上位にMI装着GT-Rがくることがほとんどなく、過去5年で歴代個人単独最多となる4回の王座をGT-R、そしてミシュランとともに獲得してきたクインタレッリも、「3週間前の(岡山での)テストでは調子がわるかったので、今日はまだ勝ったことが実感できない」とレース後に語っている。

もちろん、「コンディションが(テストとレースでは時季的にも)違うから、という話はミシュランともしていました」(松田)ということなので、陣営首脳にクインタレッリが語るほどの危機感が本当にあったかは疑問な部分もあるが、「それでもBS勢、レクサスやホンダも速いだろうと思ってここにきました。でも、今回は昨日のフリー走行からホントに(マシンとタイヤの)調子が良かったですね」(松田)という、長い目で見ても“逆転快勝”であった。

松田は本山哲(#46 GT-R)、立川祐路(#38 RC F)と並んでいたGT500の通算最多勝争いで一歩抜け出す17勝目。現行のウエイトハンデ制のもとでは開幕戦を勝つとタイトル争いでは厳しくなるという傾向もあるが、「去年(の開幕戦時点)より、いけそうな気がしています。ハンデが重くても次戦以降、頑張っていきたいと思います」と3連覇への好感触も語っている。王者コンビと王者マシン、王者チーム(ニスモ)、そして王者タイヤ(ミシュラン)がまずは力を見せつけた開幕戦であった。

決勝2~4位は#37 RC F、#46 GT-R、#6 RC F。5位には最後、#6 RC Fに0.2秒差まで迫った#12 カルソニック IMPUL GT-R(安田裕信&J-P.デ.オリベイラ/BS)が入っている。6位は#38 ZENT CERUMO RC F(立川祐路&石浦宏明/BS)。ホンダ勢は決勝でも浮上ならず、#100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT(山本尚貴&伊沢拓也/BS)の10位が最高だった。

次戦第2戦はゴールデンウイークの富士スピードウェイが舞台。5月3~4日の開催で、決勝は今回より200km長い500kmの戦いである。そこでミシュラン対ブリヂストン、日産対レクサスの戦いがどう推移するのか、やはり注目の一戦となるだろう。

《遠藤俊幸》

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