川崎重工や岩谷産業、CO2フリー水素サプライチェーン構築の実証事業を実施

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CO2フリー水素サプライチェーン構想とHySTRAの技術実証項目
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川崎重工業、岩谷産業、シェルジャパン、電源開発(Jパワー)の4社は、共同で設立した「技術研究組合CO2フリー水素サプライチェーン推進機構」(HySTRA)がCO2フリー水素サプライチェーンを構築する実証事業を実施すると発表した。

水素エネルギーを社会に普及させるためには、安価で安定的にCO2フリー水素を供給することが重要で、2014年6月に経済産業省が発表した「水素・燃料電池戦略ロードマップ」では、CO2フリー水素サプライチェーンの確立が掲げられている。

水素サプライチェーンの実現に取り組むため、川崎重工を主幹事とする岩谷産業、Jパワーの3社は共同で実証事業を提案し、2015年6月にNEDOの「未利用褐炭由来水素大規模海上輸送サプライチェーン構築実証事業」に採択された。

今回、シェルジャパンを新たに加えて設立したHySTRAに実証事業を移管して運営する。将来の海外からの商用液化水素チェーン実現を見通すため、HySTRAは、「褐炭ガス化技術」のパートと、「液化水素の長距離大量輸送技術」、「液化水素荷役技術」の2つのパートで構成、2020年度までに各パートにおける技術実証と、商用化に向けた課題の抽出を行うことを目的として活動する。

各社の役割では、国内で石炭ガス化複合発電(IGCC)に取り組んでいるJパワーはこれまで蓄積したガス化技術を活かし、「褐炭ガス化技術」の技術実証に主体的に取り組む。

LNG貯槽・受入基地の建設、種子島のロケット射点設備の建設など、極低温機器サプライヤーである川崎重工と、国内唯一の液化水素製造・供給事業者である岩谷産業、LNGのサプライチェーンやLNG船の運航に実績があるロイヤルダッチシェルの日本法人であるシェルジャパンは、共同で「液化水素の長距離大量輸送技術」と「液化水素荷役技術」の技術実証を担当する。

今後、4社がHySTRAのもとで各社の強みを持ち寄り、研究開発や実証事業を効率的に進めていく。

《レスポンス編集部》

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