【スズキ アルトワークス 試乗】若者が車好きになる良い材料になる…太田哲也

試乗記 国産車
スズキ アルト ワークス
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いまどきMT?という声が上がりそうだが、実に売れている。『アルトワークス』のうち9割がMTだそうだ。

もともとターボRSで打ち止めで、ワークスを登場させる予定はなかったそうだ。ところがターボRSを出したところ「MTを出してくれ」という声がユーザーから出て、それにメーカーは反応して「どうせなら面白いのを作ろう(開発者)と思って」、9か月で作り上げたのがワークスである。

実際に乗ってみるとまずはスロットルの付きがよい。アクセルを踏んだ瞬間、ススッと加速するのは、スロットルコントローラーの効果を高めているから。足回りもダンパーの減垂力が高められ乗り心地は少し固めだが、ターボRSよりもとくにダンパーがストロークし始める初期の動き出しの反応がよい。ハンドルを切ったりブレーキを踏んだりした瞬間の反応が素早く、気持ちよかった。

軽自動車には珍しくスポーツシートのレカロがおさめられている。コーナリング中にとくに脇腹のサポートが良くて快適だった。「これが軽自動車!?」とうれしくなるほど加速がよいのは、元々のアルトの素性による要素が大きい。アルトは燃費を良くするた高張力鋼を多用し、またS字型補強を採用するなどして高剛性ながら軽量化の両立が図られている。軽量化はアルトではエコのためだったが、ワークスではスポーツ要素に使った。

現在の購入層は40代50代が中心らしい。けれども私の周囲の大学生たちに聞くと、「これでMT免許を取った意義がある」そうだ。彼らはMTで免許を取っても、買えそうなクルマにMTがなかった。若者が車好きになる良い材料でもあると思った。

■5つ星評価
パッケージング ★★★★★
インテリア居住性 ★★★
パワーソース ★★★★★
フットワーク ★★★★★
おすすめ度 ★★★★★

太田哲也|モータージャーナリスト・レーシングドライバー
1959年11月6日生まれ。自動車評論家、レーシングドライバー。4年連続でル・マン24時間レースにフェラーリで出場するなど日本一のフェラーリ遣いの異名を取ったプロフェッショナル・レーシングドライバー。現在は自動車評論家として多数の連載をもつほか、社会人レースクラブやドライビングレッスンの運営、若い世代に「チャレンンジする素晴らしさ」を伝えるNPO法人「KEEP ON RACING」の代表も務める。

《太田哲也》

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