世界最大の潤滑油専門メーカー、カストロールの裏側に迫る…大谷達也

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カストロールの研究施設
  • カストロールの研究施設
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  • カストロールの研究施設
  • 大谷達也氏(右)
  • カストロール・パングボームテクノロジーセンター
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  • カストロール・パングボームテクノロジーセンター
  • カストロール・パングボームテクノロジーセンター

「カストロールは、エンジンオイルなどの潤滑油を専門に扱うメーカーとしては世界最大の規模を誇る」。 そう言われてみて、初めて気がついた。

街の量販店などで目にするエンジンオイルの多くは、大手石油メーカーが手がけるものか、モータースポーツに特化した規模の小さいスペシャリストが世に送り出したものかのどちらか。カストロールくらい世界的に有名なのに、潤滑油だけと向き合っているメーカーなど滅多にあるものではない。それだけに、カストロールは潤滑油に関する経験が豊富であると同時に、大規模なメーカーゆえに揃えられる最新鋭の研究施設や優秀な技術陣を駆使することで、先進的な製品をいち早く商品化できるのだろう。

先日、私はイギリス・パングボーンに建つカストロールのテクノロジーセンターを訪ねる機会を得た。最先端の潤滑油を研究・開発する世界最大規模の施設と聞いて、さぞかし現代風の建物なのだろうと勝手に想像していたのだが、そもそも周囲はイギリスの郊外に見られる典型的な田園風景で、レンガ作りが中心の建物も完成から数十年を経ていると思われるものがほとんど。ところが、これもイギリスの産業界によくあることながら、その内部はすっかり現代的に改装されていて、なかには最新の測定器や解析機器などがずらりと並んでいて思わず唸らされたのである。

そこで取材をした技術者たちは、物腰は柔らかいものの、恐ろしいほど深い知識を有した、いかにも思慮深そうな人たちばかり。「なるほど、こういったエンジニアたちがカストロールの先進性を支えているのか」との感慨を新たにしたのだが、夜になって彼らとともにパブを訪れてビールを酌み交わすと、昼間とはまるで異なる彼らの素顔を垣間見ることができて、実に興味深かった。というのも、私がいわゆる自動車ライターとして各国の高性能なスポーツカーに試乗していると知ると、「じゃあ、○○はどうだった?」「最近乗ったクルマのなかで、もっとも感銘を受けたのは?」といった質問を矢継ぎ早に投げかけてきたのである。

聞けば、彼らの多くは世界的に名のあるスポーツカーを所有しているらしい。つまり、彼らはカストロールの優秀な技術者である以前に、自動車の熱狂的な愛好家でもあるのだ。そうした彼らの思いが、具体的な製品作りのどのように反映されているかについては知るよしもないけれど、彼らの抱く情熱が、カストロールの製品から滲み出るように感じられるといっても、あながち大げさではないだろう。

カストロールがエンスージアスティックな会社であることは、モータースポーツシーンでCastrolのロゴを見る機会が多いことにも表れている。ご存じのとおり、レースの世界ではマシンは極限状態で酷使される。したがってどのエンジンメーカー、エンジンチューナーも本当に信頼のおけるエンジンオイルでなければ使わない。そこでカストロールが数多く使用されている事実は、それだけ絶大な信頼が寄せられている証拠といえる。

もっともカストロールが信頼されているのは、そうした最新のテクノロジーが駆使されている世界ばかりとは限らない。たとえば「カストロール クラシック エンジンオイル」は、戦前に作られた貴重なクラシックカーにも安心して使えるとして、愛好家の間で絶大な支持を得ていた。また、いまからふた昔前くらい前にレーシングカートや2ストローク・エンジンを積む競技用モーターサイクルを走らせた経験のある方であれば、カストロール製2ストロークオイルの、ほんのりと甘い香りが記憶のどこかに残っているはずだ。

歴史だけでもなければ技術だけでもない。自分たちと同じエンスージアストたちのために、安心して使える自動車用・二輪車用潤滑油を生み出し、幅広く届けていく。カストロールの製品が世界130の国々で愛用されているのは、長い歴史と先進の技術から誕生した製品の数々に、1万人を越える従業員たちの熱い情熱が込められているからではないのか。私には、そんなふうに思えて仕方がない。

カストロール 公式サイト

《大谷達也》

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