三菱重工業は、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ政府宇宙機関MBRSCから、火星探査機の打ち上げを受注した。
UAE建国50周年を迎える2021年に、中東初となる無人探査機の火星到着を目指すもの。受注によって三菱重工が2020年にH-IIAロケットで打ち上げる。同社が海外顧客から衛星打ち上げを受注したのは4件目。
H-IIAロケットはこれまで、30機中、29機の打ち上げに成功している日本の基幹ロケット。打ち上げ成功率は約96.7%で、世界トップクラスの高い成功率となっている。
火星探査ミッションは、UAE連邦政府が2014年7月に設立したUAE宇宙庁が統括し、MBRSCが火星探査機設計など、技術面を取りまとめている。
MBRSCは、2006年にEIASTとして設立されたドバイ政府の宇宙開発機関で、2015年に名称変更され、現在、地球観測、衛星ナビゲーション、衛星通信などの事業に取り組んでいる。
三菱重工は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)からの技術移転を受け、2007年9月に打ち上げたH-IIA13号機から、H-IIBでは2013年8月に打ち上げた4号機から、製造~打ち上げまで一貫して担う体制となっている。