ホンダと日立製作所は3月24日、スマートキー対応のポータブル呼気アルコール検知器の試作に成功したと発表した。
米国では飲酒運転による事故撲滅に向け、アルコール検知器と自動車のエンジンを連動させたアルコール・インターロックの技術開発がNHTSA主導で始まっている。しかし、これまでの検討案では、大型のアルコール検知器が必要だったり、吹き込まれた気体が人間の呼気であるか認識した上でアルコール検知を同時に行うことができないなど、課題が多かった。
今回試作に成功したポータブル呼気アルコール検知器は、マウスピースなしで利用できる呼気認識機能を搭載。息を吹きかけると、人間の呼気特有の飽和水蒸気を検知するとともに、エタノール濃度の計測を約3秒で高精度に行う。運転者が乗車前にどこででも計測できる利便性と、呼気以外のガスを用いた不正利用を防止する機能を備えている。また、ドアの解錠やエンジン始動が可能なスマートキー対応としたことで、酒気帯び状態の場合はエンジンを始動させないアルコール・インターロックの役割も果たす。
今後ホンダと日立は、実証試験によりデータの収集を図り、同システムの実用化に向け開発を加速。飲酒運転による事故撲滅への貢献を目指す。