日産/NISMOが26日、今季のモータースポーツプログラムの概要を発表。SUPER GTシリーズ以外にも国内外の多くのステージで日産勢は飛躍を目指す。
今年も多くのシリーズ、レースで日産勢の活躍の主軸となるのは、高い汎用性を誇る『Nissan GT-R NISMO GT3』である。国内ではSUPER GTのGT300クラスはもちろん、スーパー耐久シリーズ(S耐)にも参戦。また欧州ではハイレベルなブランパンGTシリーズ(エンデュアランスカップおよびスプリントカップ)、そしてニュルブルクリンク24時間レースへの参戦が予定されており、北米ではピレリワールドチャレンジにも登場する。
S耐のST-Xクラスには、NISMOの支援を受けて#24 KONDOレーシング(監督は近藤真彦氏)が日産自動車大学校とのコラボ体制も継続しての参戦。ドライバーのひとりには藤井誠暢(とものぶ)が決定している。ブランパンGTシリーズの参戦陣容は下記の通り。昨年大活躍した千代勝正(今年はGT500参戦)にかわり、今年は高星明誠(たかぼしみつのり)が日本からのチャレンジャーということになる。
■ブランパンGTシリーズ Nissan GT Academy Team RJN 参戦陣容
<エンデュアランスカップ=旧ブランパン耐久シリーズ>
プロクラス:アレックス・バンコム&ルーカス・オルドネス&高星明誠
プロアマクラス:ショーン・ウォーキンショー&マット・シモンズ&ロマン・サラザン
<スプリントカップ>
プロクラス:アレックス・バンコム&高星明誠
プロアマクラス:ショーン・ウォーキンショー&リカルド・サンチェス
ニュル24時間レースの参戦体制は後日発表となっている。
GT-R関連以外では、S耐のST3クラスに『フェアレディZ NISMO RC』が参戦。オーストラリアではV8スーパーカー選手権にアルティマが参戦し、カナダでは昨年スタートしたマイクラカップが継続開催される。
また、残念ながらLMP1クラス参戦こそ未完のまま休止となったが、今年もWEC(世界耐久選手権)やヨーロピアン・ルマン・シリーズ、アジアン・ルマン・シリーズのLMP2、LMP3クラスへのエンジン供給は続けられ、数多くのマシンが日産ブランドのエンジンを背に走ることとなる(LMP3はWECにはクラスなし)。
ドライバーの育成&支援に関しては、全日本F3選手権にはB-MAX Racing Team with NDDP(NDDP=Nissan Driver Development Program)としてヤン・マーデンボロー(#22)と千代勝正(#23)が参戦。なお、同チームは昨季までトヨタ製エンジンで戦っていたが、昨年12月の鈴鹿テストではフォルクスワーゲン(VW)製エンジンで走っている。VW搭載となれば、F3実績豊富な千代はおそらく開発主担としての意味合いも含めた起用だろう。一方のマーデンボローはGTアカデミー出身の選手で、さらなるシングルシーター経験を積むことが主目的だ。なお、マーデンボローはGT300、千代はGT500にそれぞれGT-Rで参戦する。
ワークス級の参戦から、参戦チームの支援を含め、今季も華々しい活躍が国内外で期待される日産/NISMOのモータースポーツ活動。NISMOの宮谷正一CEOは新季に向けて以下のようなコメントを寄せている。
宮谷正一CEOのコメント
「昨年、我々のNissan GT-Rは、欧州、アメリカ、オーストラリア、日本と世界各地で次元の高いバトルを繰り広げ、素晴らしい成果を上げることが出来ました。
今年は千代がGT500に、マーデンボローがGT300に、そして高星がブランパンに挑みます。新しい世界に挑戦する彼らに一層の飛躍を期待するとともに、さらに強いGT-Rをレースでお見せしてGT-Rのブランド向上に寄与すべく、今、我々は全力で開発やテストを進めています。
また、日産車や日産エンジンで参戦するカスタマーチームへの支援にも一層注力していきたいと考えています。2016年も全力でモータースポーツ活動に取り組み、さらなる勝利とタイトルを目指します。新しいシーズンを前に我々は、ワクワクしています。モータースポーツを通じてファンの皆様と興奮と感動を共有したいと思います」
日産/NISMOは28日に横浜のグローバル本社で今季の体制発表会を開催する。