三菱重工業は、量産初号機の納入時期が計画より遅れている次世代リージョナルジェット「MRJ」の開発体制強化策をまとめた。
MRJは開発スケジュールの遅れによって2017~2018年度に投資が増加、最大損失増加と事業の黒字化が遅れるリスク、キャッシュフロー計画の下振れリスクが生じている。
このため、開発体制の強化と効率改善を図る。具体的には、防衛要員との交流を含み国内他社から人材補強を実施するなど、航空機開発エキスパートを補強する。完成機事業を担う人材を三菱航空機に集約する。
また、三菱航空機の本社(愛知県)が型式証明の文書作成や当局への対応、飛行試験、量産準備、カスタマーサポートなど、米国シアトルの拠点が開発設計と技術課題対策など、米国モーゼスレイクの拠点が飛行試験、データ解析・評価などをそれぞれ担当する体制を構築して、開発促進と効率化を図る。
三菱重工、三菱航空機、パートナーで連携を強化してスケジュール管理も強化する。
このほか、本格事業展開の準備として三菱航空機と間接業務、三菱重工とのシェアード化とスリム化を第1ステップとして実施し、第2ステップでカスタマーサポートを含む量産事業体制を構築する。費用や顧客サービス面から組織・要員を効率的に配置する。
MRJは開発が遅れており、昨年12月には量産初号機の納入時期を2017年4-6月期から1年程度延期した。