4日、MEGA WEB(東京・青海)にて開催の「2016 TOYOTA GAZOO Racing プレスカンファレンス」において、トヨタが今季WEC参戦ドライバー陣容を発表した。新たに小林可夢偉がレギュラードライバーに就任している。
可夢偉はスーパーフォーミュラに参戦開始した昨季、WEC(世界耐久選手権)のトヨタ陣営にもリザーブドライバーとして既に参画。最高峰LMP1クラスに2台参戦する同陣営ではA.ブルツが昨シーズン限りで引退したため、可夢偉のレギュラー昇格、今季LMP1デビューは既定路線と見られていた。正式発表された新体制においては昨季から残留する中嶋一貴ら5人に加わるかたちで、可夢偉はS.サラザン、M.コンウェイとのトリオで『TOYOTA TS050 HYBRID』をドライブする。
小林可夢偉のコメント
「(LMP1マシンは)かなりハイテクで、付いているモノはおそらくF1より凄いですし、一般車への(直接的な)反映があるところにもやりがいを感じますね。すごく大変なレースなので、しっかり準備をしていきたいと思います」
F1では12年の日本GPで表彰台に立つなどの実績を残し、スーパーフォーミュラでも昨季は初参戦ながら表彰台獲得3回という活躍を披露。現代日本レース界の至宝のひとりである可夢偉が、今度はWECの最高峰LMP1でトヨタを駆り、どんな走りを見せてくれるのか。今季のモータースポーツシーンにおける大きな注目ポイントとなりそうだ。
なお、可夢偉のLMP1クラスでのWEC参戦は今季が初だが、他クラスでのWEC参戦経験はあり、13年にフェラーリのワークス格チームでLMGTE-Proクラスに参戦して以来3年ぶりということになる。
中嶋一貴は昨季同様、14年のWECドライバーズチャンピオンであるA.デビッドソン&S.ブエミと組み、もう1台のTS050に搭乗する。
中嶋一貴のコメント
「もう一度、優勝を争えるところでレースをしたいですね。そうでないと、ドライバーも見る人も楽しくないと思うので。今年はそうできるように頑張りたいです。可夢偉の加入はチームにもファンにもいいことだと思います。6人の(ドライバーの)なかの2人として、一緒にいい仕事をしていきたいですね」
トヨタは14年にドライバー、マニュファクチャラーの2冠を初獲得したが、一転して昨季は0勝。ポルシェとアウディの後塵を拝し続ける展開となったが、巻き返しに向けニューマシンのTS050をスタンバイして今季を迎える。一貴は新車に関して、自身はまだドライブしていないながらも、僚友たちからのインフォメーションで「新しく変わった部分についてのポジティブな話は聞いています」との好感触を語っている。
今季のWECは3月25~26日にフランス・ポールリカールで公式テスト(プロローグ)が行なわれたのち、4月17日決勝のイギリス・シルバーストン戦で開幕、世界各地を巡る全9戦のスケジュールで争われる。各陣営にとって最大目標となるルマン24時間レース(フランス、第3戦)は6月18~19日決勝、そして富士スピードウェイでの第7戦は10月16日決勝の日程で開催される。
なお、可夢偉と一貴は今季もトヨタエンジン搭載チームからのスーパーフォーミュラ参戦を継続。ともに昨季同様、可夢偉はチームルマン(カーナンバー7)、一貴はトムス(カーナンバー37)からの参戦となることも併せて発表されている。