産業技術総合研究所は1月19日、リサイクル炭素繊維を用いた熱硬化性CFRP(炭素繊維強化熱硬化性樹脂複合材料)の強度を向上させる製造プロセスを開発したと発表した。
愛知県では、科学技術交流財団に委託して、大学などの研究シーズを企業の製品化につなげる産学行政連携の共同研究開発プロジェクト「知の拠点あいち 重点研究プロジェクト」を実施している。今回の製造プロセス開発は、その重点研究プロジェクト「低環境負荷型次世代ナノ・マイクロ加工技術の開発プロジェクト」において実現したものだ。
CFRPは、航空機や自動車などの分野で、金属よりも軽い構造材料として注目を集めており、リサイクルに向けた研究開発も活発に行われている。しかし、リサイクル炭素繊維は新品よりも強度が低下するという課題があり、熱硬化性CFRPにもそれは当てはまる。
今回開発したプロセスでは、熱硬化性CFRP製造時の樹脂を硬化させる加熱工程において、従来のオーブンではなくマイクロ波を使用。従来法よりも樹脂と炭素繊維の密着性が上がり、熱硬化性CFRPの強度を向上させることができたという。
今回の開発によって、リサイクル炭素繊維を用いた熱硬化性CFRPの性能向上と製造コスト低減に期待がかかる。