【東京オートサロン16】豊田自動織機がコンセプトカーを製作した目的は?

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豊田自動織機の「コンセプト」(東京オートサロン16)
  • 豊田自動織機の「コンセプト」(東京オートサロン16)
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オートサロン初出展となった豊田自動織機は、独自開発のコンセプトカーを公開した。インテリアのないモックアップで車名もなく、ただ『CONCEPT』と呼ばれるのみ。しかしスタイリッシュなシルエットは大きな注目を集めていた。

このコンセプトカーは、クーペの持つスペシャリティ感と走りをイメージするスタイリングと、SUVのダイナミックさや使い勝手、走破性を付与したキャラクターを持つ。つまり「クーペとSUVのクロスオーバー」だ。

想定ユーザーは「アクティブなアッパーエイジ」。生活におけるパートナーとして存在し、実用性とスペシャリティ感覚を兼ね備えつつ「新しい走りとレジャーの方向性」を提案するものだという。

ただしこれは、単純な「デザイン提案」ではないという。同社自動車事業部・技術部ViRA商品企画室・アイディアルファシリテーターの山梨祐嗣さんは「まず企業として、クルマとしてのありかたを考え、それを受けてデザイナーがスケッチをはじめています」と説明する。

「クルマとしてのありかたを考える」とは、架空の商品開発プロジェクトを立ち上げ、すべての部署が参加する演習だったことを指す。デザイン提案やデザイン能力のアピールがプロジェクトの目的ではなく、全社的に取り組むプロジェクトに沿ってデザインされたものが、このコンセプトカーなのだと山梨さん。

「わたしたちはトヨタ車を生産するだけでなく、新型車や特別仕様車の企画やデザイン開発にも参加しています。ですからデザイン能力をはじめ具体的な提案能力、計画立案能力やプロジェクト実行力に磨きをかけるために、架空ではあるものの独自の商品企画を立ち上げ、取り組んだのです」(山梨さん)

オートサロンに出展することも当初の目的ではなく、プロジェクトの途中で「せっかくフルサイズのモックアップを作るのだから、一般の人にも見てもらっていろいろな意見を聞くツールとして活用しよう」ということになったのだとか。

このため開発スケジュールも途中で変更され、「デザイン開発は大変な作業だった」と、同社技術部デザイン室長の中村直之さんは振り返る。たとえば1/1のクレイモデルで造形を熟成させる時間が足りなくなり、やむなく3D CADのデータで最終的なスタイリングを決定するなど「従来とは異なったプロセスが必要になった」とのこと。

しかしデザイン室スタッフにとっては、この新しい仕事の進め方を考える必要に迫られたということが、刺激的で貴重な体験になったと中村室長。ボディサイドに貼られた「NAGAKUSA DESIGN 」のバッジは、このコンセプトカーに込められたデザイナーの「想い」を物語る。

自動車事業部のデザイン室は、同社長草工場内にあるのだ。中村室長は「この試みと成果を、次につなげていきたいですね」と意気込みを語った。

《古庄 速人》

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