大日本印刷(DNP)は、耐候性・耐摩耗性に優れた車両用樹脂ガラスを開発。1月13日から15日に東京ビッグサイトで開催される「オートモーティブ ワールド クルマの軽量化技術展」に出展する。
樹脂ガラスは耐衝撃性や断熱性に優れるほか、重量が一般のガラスの約半分と軽いため、電車の車両や建設機械、自動車の窓ガラスなどに使用したいというニーズが高まっている。しかし、ポリカーボネート製の樹脂ガラスは、加工性に優れる反面、太陽光や風雨などに対する耐候性や、硬さ、傷つきにくさなどがガラスよりも劣るという課題があった。
DNPは、電子線の照射によって、塗工した樹脂を硬化させる独自のEB技術を活用し、樹脂ガラスの表面に転写することで耐候性と耐摩耗性を向上させる「DNP超耐候ハードコート転写フィルム」を開発。同フィルムを転写した樹脂ガラスを販売する。
DNP超耐候ハードコート転写フィルムを使用した樹脂ガラスは傷つきにくく、耐候性も向上。ガラスの約半分と軽量だが、同等の透明性を確保するとともに、割れる可能性が低いため、安全面で優れている。さらに樹脂ガラスの成型と同時にフィルムを転写することで、加工等のコストを抑えることができる。
DNPは今後、同樹脂ガラスを電車の車両や建設機械、乗用車やバスなどに向けて販売し、2017年度までの累計で10億円の売上を目指す。