鉄道路線の災害運休区間、山田線不通で50km増…2015年12月末

鉄道 企業動向
昨年12月に山田線松草~平津戸間の線路内に土砂が流入し、列車が脱線した。復旧工事の着手は早くても3月以降になる見込み。
  • 昨年12月に山田線松草~平津戸間の線路内に土砂が流入し、列車が脱線した。復旧工事の着手は早くても3月以降になる見込み。
  • 大船渡線BRT(左)の沿線自治体は、JR東日本が示していた鉄道の復旧断念とBRTの継続運行に同意した。
  • BRTによる仮復旧が行われた気仙沼線では、沿線自治体のうち気仙沼市が態度を保留している。
  • 2015年12月末時点の災害運休区間。距離は11月末に比べ約50km増加した。

災害による鉄道路線の長期運休区間は、2015年12月末時点で445.9kmだった。同年10月末時点と11月末時点との比較では距離は変わらなかったが、12月に入って山田線の山岳区間が一部不通となり、51.6km増加した。

■JR北海道 日高本線 鵡川~様似(北海道) 116.0km
2015年1月の低気圧による高波と9月の台風17号の影響で運休中。バスによる代行輸送が行われている。再開のめどはたってない。

■JR東日本 山田線 上米内~川内(岩手県) 51.6km
2015年12月11日に松草~平津戸間で土砂が流入し、列車が脱線。この区間を含む上米内~川内間で運転を見合わせている。代行輸送は行われていないが、岩手県北バスの都市間バス『106急行』への振替輸送が行われている。復旧工事の本格的な着手は早くても今年3月以降になる見通し。

■JR東日本 山田線 宮古~釜石(岩手県) 55.4km
2011年3月に発生した東日本大震災の影響で運休中。代行輸送は行われていないが、岩手県北バスと岩手県交通の路線バスが並行して運行されている。三陸鉄道が列車の運行を引き継ぐことが決まっており、2018年度に運行が再開される予定。

■JR東日本 大船渡線 気仙沼~盛(宮城県・岩手県) 43.7km
2011年3月に発生した東日本大震災の影響で運休中。バス高速輸送システム(BRT)を導入し、線路敷地の一部を活用したバス専用道を走る代行バスが運行されている。

2015年7月にJR東日本は鉄道の復旧を断念し、仮復旧扱いとなっているBRTの運行を継続する考えを示した。沿線自治体も同年12月、JR東日本の方針に同意した。

■JR東日本 気仙沼線 柳津~気仙沼(宮城県) 55.3km
2011年3月に発生した東日本大震災の影響で運休中。バス高速輸送システム(BRT)を導入し、線路敷地の一部を活用したバス専用道を走る代行バスが仮復旧の扱いで運行されている。

JR東日本は大船渡線と同様、鉄道の復旧を断念してBRTの運行を継続する方針を示しているが、沿線自治体のうち気仙沼市が態度を保留している。

■JR東日本 常磐線 竜田~原ノ町(福島県) 46.0km
2011年3月に発生した東日本大震災と福島第一原子力発電所事故の影響で運休中。2015年1月から代行バスの運行が始まったが、途中駅は全て通過している。小高~原ノ町間9.4kmは今春までに再開する見込み。

■JR東日本 常磐線 相馬~浜吉田(福島県・宮城県) 22.6km
2011年3月に発生した東日本大震災の影響で運休中。ルートを内陸側に移設する工事が進められている。バスによる代行輸送は不通区間より広い相馬~亘理間で行われている。今年12月末までに再開する予定。

■JR東日本 只見線 会津川口~只見(福島県) 27.6km
2011年7月の豪雨で影響で運休中。バスによる代行輸送が行われている。

■大井川鐵道 井川線 接岨峡温泉~井川(静岡県) 10.0km
2014年9月の大雨で発生した土砂崩れの影響で運休中。代行輸送は行われていない。

■JR東海 名松線 家城~伊勢奥津(三重県) 17.7km
2009年10月の台風18号の影響で運休中。バスによる代行輸送が行われている。今年3月26日のダイヤ改正にあわせて再開することが決まった。

※参考:長崎電気軌道 桜町支線 長崎駅前~公会堂前(長崎県) 0.9km
2015年10月に発生した脱線事故の影響で運休中。桜町支線を走る3号系統が赤迫~蛍茶屋間の全区間で運転を見合わせている。

《草町義和》

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