【サウンドチューニング・マニュアル】イコライザー編パート5…多バンドタイプの操作のコツ

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スマホアプリで周波数特性を測定しているところ。
  • スマホアプリで周波数特性を測定しているところ。

カーオーディオにおける楽しむべきポイントの1つ、“サウンドチューニング”についてのノウハウを解説している。今月のテーマは「イコライザー」だ。その最終回となる今回は、バンド数が多いタイプでの操作のコツをレクチャーする。

今回は、7バンドから13バンドあたりまでの、比較的に高機能な「イコライザー」の操作方法について解説していく。

まずは、“味付け”として「イコライザー」を活用しようとするときのコツからご紹介していこう。それは、「プリセットデータから発展させる」というものだ。

ソースユニットには、あらかじめサウンドエフェクト的な「イコライザー・カーブ」が設定されていることが多い。それをベースにして、そこからさらに手を加えてみよう。そうすることが、「イコライザー」操作の練習にもなる。

プリセットデータを変更することができなければ、その値をメモして「カスタム」のモードで再現し、そこから発展させていけばOKだ。まずは、大きく手が加えられているバンドを、プラスマイナス0のところまで戻してみよう。そこを大きく調節したことで、どのような効果が得られていたのかを確認してほしい。

そしてもう1度プリセットの状態に戻し、今度はそこから微調整を加えてみる。これは言ってしまえば“遊び”であるので、どのように調整してもOKだ。ただし、すべてのバンドをフルブーストさせるような操作はNGだ。出し入れ(上げ下げ)を上品に行って、自分として心地よく感じられる「イコライザーカーブ」を作ってみよう。さらに、他のプリセットデータでも同じことをやってみると、より参考になるはずだ。

さて次は、“周波数特性の乱れを正す”という観点での操作方法をお教えしたい。これをしようとするとき、スマホアプリを活用しても面白いと思う。「RTA」で検索すると、タイトル写真のような測定アプリが見つかるはずだ。

そして調整用CDなどに収録されている“ピンクノイズ”と呼ばれる信号をソースユニットから再生し、測定してみよう。測定する場所は、リスニングポイント(頭の位置)で行うといいだろう。簡易的なものなので、必ずしも厳密な測定が行えるわけではないのだが、参考にはなる。測定結果を見て、大きく出っ張っている周波数帯があれば、そのあたりを「イコライザー」で下げてみよう。そうすることで、測定結果がよりフラット(平ら)な状態に近づいていけば正解だ。

ちなみに、大きく下がっているところは、「イコライザー」で持ち上げても結果に変化が現れないこともある。そのような場合はフラットのままにしておこう。何らかの原因でキャンセリングが起きている可能性が高く、そうであるならば「イコライザー」では調整不可能なので、触るべきではないのだ。覚えておいてほしい。

コツは、「出過ぎているところを下げる」である。上がりすぎているところを整える、というイメージで行うと上手くいく場合が多い。

そして最後は、自分の耳で聴いて判断することが大切だ。そのためには、“基準”を持つことが必要となる。家のオーディオシステムでもいいし、信頼できるプロショップのデモカーでもいい。自分の好きなCDが、良いシステムではどのように聴こえるのか、そのイメージを頭に叩きこんでおきたい。調整しながら、それとどう違うのかを考える。そして頭で聴こえている音に近づくように「イコライザー」を操作してみよう。

測定機を使わずに、1バンドずつ上げてみて、乱れているところを探すという方法もある。上げていって嫌な感じ(うるさい感じ)が強まるバンドがあったらそこは怪しい。そこが“ピーク”となっている可能性があるのだ。そんなバンドが見つかったらそこを下げてみる。そうすることでスッキリしたと感じられたらOKだ。

最後にもう1つ、注意事項を。「イコライザー」調整は、“小幅”に留めたほうが上手くいくことが多い。上げすぎ下げすぎに注意しながら、“基準”となるサウンドに近づくように調整していこう。

さて、計5回にわたって「イコライザー」について解説してきたが、いかがだったろうか。とにもかくにも、いろいろと触ってみて、経験則を積み上げることが「イコライザー」調整の上達の早道だ。操作することで音が変化していくことを楽しみながら、気持ち良いサウンドを作り上げていってほしい。実践あるのみだ。ぜひぜひトライを。

【サウンドチューニング・マニュアル】「イコライザー」編 Part.5 「多バンドタイプの操作のコツ」

《太田祥三》

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