【オートモーティブワールド16】「アジア最大級の自動車関連先端技術展」のトレンドと新たな試み…事務局長 早田匡希氏

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オートモーティブ ワールド(2015年の様子)
  • オートモーティブ ワールド(2015年の様子)
  • オートモーティブワールド専門セッション(2015年の様子)
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東京ビッグサイトにて2016年1月13~15日に開催される、アジア最大級の自動車関連先端技術展「第8回オートモーティブワールド2016」。その事務局長を務めるリードエグジビションジャパン・早田匡希氏に、今回の見どころや新企画、トレンドなどを聞いた。

◆「発掘と解決の場」に過去最多810社が集結

----:第8回を迎える今回、オートモーティブワールドはどんな位置づけへと発展してきたのでしょうか。

早田事務局長(以下敬称略):このオートモーティブワールドは、次世代自動車の性能を決定づける「カーエレ」「EV技術」「クルマのスマート化技術」など、重要テーマを扱ったアジア最大級の展示会です。構成としては、「国際 カーエレクトロニクス技術展」「EV・HEV駆動システム技術展」「コネクティッド・カーEXPO」「クルマの軽量化技術展」「自動車部品 加工EXPO」という5つの展示会から成り、出展社数は年々増加し続けています。

今回は、前回比170社増の810社が出展します。会場には、自動車メーカー・Tier1(一次請け)サプライヤーの技術者などが世界中から毎年来場し、技術者たちにとって「新技術発掘の場」「技術課題解決の場」という位置づけとして成長しています。

----:オートモーティブワールドが年々拡大している理由はどこにあると考えますか。

早田:新技術の発掘や技術課題の解決を求めて、多くの自動車技術者が来場するということは、裏を返せば、多くの出展社が自動車技術者の目に留まり、新たな取引が始められているということです。

出展社側から見ると、この展示会は「新技術を自動車技術者に提案する絶好の場」といえます。これこそが出展の最大のメリットで、「出展すると自動車業界でのビジネスが拡大する」という評判が年々広まり、「評判を聞いて出展を決めた」という企業も多いのです。

◆自動運転、コネクティッド、セキュリティに注目

----:では、2016年のトレンドやホットな話題、セミナーの特徴などについて教えてください。

早田:大きく「ADAS」「自動運転」「コネクティッド・カー」「サイバーセキュリティ」の4つがあげられます。昨年から続く重要な技術トレンドのADAS・自動運転については、特別展示ゾーンを設け、セミナーでは「ここまで来た自動運転 ~トヨタ・日産・ホンダの戦略~」(13日)や、「ADAS進化の鍵!最新センシング技術」(14日)など、自動車メーカーをはじめ、ボッシュ、ソニー、日立製作所などの第一人者が講演します

コネクティッド・カー分野は、「コネクティッド・カー関連のソリューションを出展したい」という企業も増加傾向にあり、コネクティッド・カーEXPOの出展受付枠は早期に完売したほどです。「激化するコネクティッド・カー開発の現状と未来」(15日)と題したセミナーでは、「つながるクルマ」の今後の方向性(トヨタ)や、ホンダにおけるシリコンバレー流コネクティッド・カー研究の方向性(ホンダ)、自動運転の実現をサポートするITシステムの進化と課題(日本アイ・ビー・エム)といった講演が開催されます。

----:クルマがつながると、セキュリティにも注目が集まりますね

クルマのコネクティッド化にともない、クルマのサイバーセキュリティも注目を集めています。とくに、イスラエルではクルマのサイバーセキュリティを専門にしたITベンチャーが立ち上がっています。セミナー「サイバー攻撃から車を守る!セキュリティ最前線」(15日)では、「Argus Cyber Security」(イスラエル)というITベンチャーのCEO、Ofer Ben-Noon氏が「カー・ハッキングの増加 : 自動車業界への脅威、課題とソリューション」というテーマで講演します。

◆ITや軽量化をテーマにした多彩なセミナー展開

----:ITベンチャーが自動車分野に続々進出しているという現状にスポットをあてたセミナーなどはありますか

早田:Google や Appleなどが自動車分野に進出するいっぽうで、自動車業界をターゲットにした新進気鋭のITベンチャーが、世界中で日々生まれています。今回、特別講演として「次のApple・Googleを探せ!新進気鋭のITベンチャーが生む新たな波」と題したセミナーも設け、どんなITベンチャーが自動車業界から注目を集めているか、そのトップは何を考え、実行しているかなどがわかるような内容で展開します。

多くの技術者たちは「世界のITベンチャーが自動車業界にどんな影響をもたらすか」という関心を抱いていると思います。こうした背景からか、このセミナーには、すでに1000名以上の申込があり、すでに満席に迫る勢いです。

----:今回、新たに設定されたセミナーについて教えてください

早田:自動車技術者にとって、頭の痛い悩みのひとつに「クルマの軽量化」があります。今回の展示会では、この課題の解決に向けた最先端の情報発信地となる「クルマの軽量化技術展 軽量化 革新フォーラム」を新たに設け、15の講演が行われます。

「車両の燃費・性能向上と生産性の両立に向けた軽量化と接合技術開発」(13日)ではトヨタのボデー設計部長が、「メルセデス・ベンツにおける軽量設計」(14日)では、ダイムラーの次世代ボデーの開発者が、「F-150の軽量化」(15日)ではフォードのアルミカー「F-150」の軽量化責任者が、異種材料接合技術や先端材料について材料メーカーが、またそれぞれの技術について語ります。

----:これまでの自動車業界の枠を超えた、先端技術が集結する展示会となりそうですね

早田:我々はこれからも、すばらしい技術を持った出展企業と、開発に汗を流しながら奮闘する自動車技術者のマッチングの場を創出することで、自動車業界の活性化、自動車の開発革新に貢献したいと考えます。第8回オートモーティブワールド2016は、さらに規模を拡大し、これまで以上に魅力的な新技術が紹介される場となります。また、業界の第一人者による講演が毎日繰り広げられるイベントとしても、世界じゅうから注目を集めています。

《レスポンス編集部》

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