東芝は12月15日、1台のカメラで広範囲を撮影した映像から、人や車の数を高精度に計測できる技術を開発したと発表した。
従来の計測技術では、人やものの存在確率を対象となる画像の輝度値をもとに推定する密度マップが使用されていたが、計算量が膨大で、性能向上には非常に多くのメモリを使用する必要があった。
今回東芝は、人やものの位置をベクトルで表す独自のCOUNTフォレスト方式を開発した。同方式では、画像における人数と位置のみを統計学習し、画像から人の位置を示すベクトルの情報を推定。推定した位置を中心に、予め正規分布で作成した一人の密度マップを重ね合わせて集団の密度マップを算出して、人数を計測する。従来方式と比べ、人数と位置に特化した学習を行うため、省メモリで高精度に人やものの数を推定することができるという。
これまで最も性能の高かった方式で平均絶対誤差が3.43人であった公開データに対し、COUNTフォレスト方式では平均絶対誤差2.50人で世界トップの性能を実現。また、従来方式の平均絶対誤差が2.10人であった別の公開データにおいても、約30分の1のメモリ使用量で、平均絶対誤差1.59人を達成した。