【スーパーフォーミュラ 鈴鹿テスト】初日午後は雨…新顔の関口雄飛がトップタイム

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#20 関口雄飛の1分46秒873が初日午後のトップタイム。
  • #20 関口雄飛の1分46秒873が初日午後のトップタイム。
  • 初日午後のトップタイムをマークした関口雄飛(左は2015年全日本F3王者のN.キャシディ=KONDOレーシングでテスト参加中)。
  • 名門インパルの#20号車を今回は関口雄飛がドライブ。
  • 中嶋一貴もヨコハマ製レインタイヤを履いた。
  • ヨコハマのトランスポーターは、お馴染みの赤黒カラーリング。
  • ヨコハマのスタッフが各チームに帯同。
  • 午後のセッションは雨になった。
  • このカテゴリーの09年王者、WECで活躍するロイック・デュバルも、来季は2年ぶりの参戦を狙っている(明日、テスト2日目に走行予定)。

25日、全日本スーパーフォーミュラ選手権(SF)鈴鹿テスト初日の午後は、雨に見舞われた。そのなかでのトップタイムはSF参戦未経験の関口雄飛がマークしている。

午前のセッション終了前後から雨がパラつき出した鈴鹿サーキット。午後1時30分からの2回目の走行セッションはライトウエットといった状況からのスタートとなり、最初はスリックタイヤとレインタイヤの混走だったが、次第に完全なレインタイヤテストセッションと化していく(セッションは赤旗により、予定の4時少し前に終了)。

雨が強まっていく流れだったため、このセッションのベストタイムは序盤に記録された1分46秒873がそのまま残った。このタイムは今回LENOVO TEAM IMPUL(エンジンはトヨタ)の#20号車に乗る関口雄飛がスリックタイヤでマークしたもの。SFへの参戦経験はまだない関口だが、2011年全日本F3王座獲得等の実績を有し、近年はSUPER GTのGT500クラスにも参戦している実力派の27歳だ。アグレッシブなレーススタイルに定評がある個性派ともいえる。

関口雄飛のコメント
「ドライだった午前中のセッションは、まずは新品タイヤで様子見というところから始めて、慣れてきた頃にはタイヤのパフォーマンスがベストな状態を過ぎていましたね。最後に次のニュータイヤを履いて行ったんですけど、その時は他車のアクシデントがあったりして、タイミングよくアタックすることができませんでした。午後はトップタイムを出した時も他にスリックで走っていたクルマが何台かいてのトップタイムですし、雨(が強くなってから)でも常に(それぞれの状況のなかで)トップ3には入っていましたので、自分の実力は出せたかなと思います」

これまで国内トップフォーミュラ(フォーミュラ・ニッポン~スーパーフォーミュラ)参戦のチャンスには恵まれなかった関口だが、今回は先週末のF3マカオGP参戦中に「チームIMPULでテストに乗れるかもしれない」という朗報が舞い込み、参加実現に至った。かつて日本一速い男の異名で呼ばれた“闘将”星野一義監督からは、「思っていた通り、『ガンガンいけ』って言われました」と笑顔で語る。

関口のキャラクターは、もしかすると星野監督のキャラにピタリはまるかもしれない。「(キャリア的には)ちょっと遅くなりましたけど、チャンスがいただけて嬉しいです。(参戦実現に向けては)結果を出してアピールすることが一番だと思います。初日はアピールできたと思いますので、明日もっと頑張ります」。あくまで“ルーキーテスト”がお題目のひとつである今テスト、ドライになりそうな可能性がある2日目も関口の動向が注目されるところだ。

一方、今テストの“主役”となっているのが来季から実戦使用されるヨコハマ製ワンメイクタイヤである。初の合同テストでドライ、レインを両方試すことにもなったわけだが、ヨコハマ・モータースポーツ・インターナショナルの秋山一郎・開発本部長は午後のセッションを終えて、「まずはホッとしています。高速耐久性と荷重耐久性を特に意識して開発をしてきました。実質半年しかない時間がないなか、先行開発テストの段階から参戦チームのみなさんの協力をいただけたこともあり、一応の着地をすることができたと思います」と安堵の旨を語った。

さらに具体的には「スリックタイヤはほぼ想定内の結果だと思います。1分37秒台が(午前に)出たことにもホッとしました。ただ、レインについては我々にまだ課題があるな、という部分も(ドライバーやチームの)コメントから出てきていますね」と秋山本部長。もちろん開幕までにさらなる煮詰めは必要になるだろうが、まずは順調な滑り出しのようである。多くのカテゴリーに参戦しているヨコハマ、時間がないなか「やれることを試すというスタイル」で、様々な経験を活かしつつ「予測と対応ができたと思います」とのこと。SFに新たな、頼もしい足元の支えが誕生したといっていいだろう。

ちなみに前出の関口は、昨季~今季とタイヤ競合のSUPER GTでヨコハマを使用しており、11年の全日本F3王座獲得時がヨコハマによるタイヤワンメイク初年度と、ヨコハマとの縁が深いドライバーでもある。傾向的には「GT500とはちょっと違って、どちらかというとF3(今年の全日本F3用やマカオF3用)に似ている感じですかね」とヨコハマ製SFタイヤを評している。このあたりの経験、彼には武器的な要素になるかもしれない。

午後のセッションの2番時計はアンドレ・ロッテラー(#2 PETRONAS TEAM TOM’S/トヨタ)で1分47秒353。3番手は1分49秒990をマークしたジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(#19 LENOVO TEAM IMPUL/トヨタ)。今季GP2王者にしてF1マクラーレン・ホンダのリザーブ&開発ドライバーである注目選手、ストフェル・バンドーン(#40 DOCOMO TEAM DANDELION RACING/ホンダ)は午後は37周を走ってベスト1分52秒615、8番手だった(全体順位そのものに意味がある状況ではなかった)。

SF鈴鹿テストは26日までの実施。2日目は午後1~4時に走行が予定されている。

《遠藤俊幸》

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