JR東日本秋田支社は11月20日、男鹿線に新型の蓄電池電車「EV-E801系」を2両(2両編成1本)導入すると発表した。性能評価や技術的な検証を行った後、2017年春の営業開始を目指す。
男鹿線は追分(秋田市)~男鹿(秋田県男鹿市)間26.6kmの鉄道路線。列車は奥羽本線に乗り入れて秋田~追分~男鹿間39.6kmを結んでいる。奥羽本線が交流方式で電化されているのに対し、男鹿線は電化されていない非電化路線のため、現在は気動車で列車が運行されている。
秋田支社の発表によると、JR東日本は烏山線(栃木県)で直流方式の蓄電池電車「EV-E301系」を運行しているが、EV-E801系は奥羽本線の電化方式にあわせ交流方式を採用する。「二酸化炭素(CO2)削減等の環境負荷低減効果が期待でき、線区長さも蓄電池搭載容量に適しており、かつ交流電化区間との直通運転を行える」として、男鹿線に蓄電池電車を導入することにした。
車両はJR九州が開発を進めている架線式蓄電池電車(2016年秋導入予定)をベースとし、寒さや雪に対応したカスタマイズを行う。編成はEV-E801形とEV-E800形の2両で、定員はEV-E801形が129人(座席40人)、EV-E800形が127人(同40人)。最高速度は電化区間が110km/h、非電化区間が85km/hになる。
車体は片側3カ所に旅客用のドアを設置。座席はロングシートになる。架線からの集電装置(パンタグラフ)はEV-E801形に搭載。蓄電池はリチウムイオン電池(1598V・360kWh)でEV-E800形に搭載する。
電化区間の走行時には架線から電力の供給を受けて走行しつつ、蓄電池に充電。非電化区間では蓄電池の電力で走行する。また、終点の男鹿駅には専用の充電設備を設ける。室内照明は全てLED化して消費電力の低減を図る。