フィアット『500X』は、500らしさを重視しながらデザインされたという。
その500らしさとは何か。FCA Italy:EMEA デザイン部門ヘッドのロベルト・ジョリート氏は、「ヘッドライトなどを含むフロント周りや、クロームに囲まれたテールランプなどのディテールはもとより、全体のフォルムが重要だ」と述べる。
具体的には、クルマを一周するキャラクターラインにより、「上下に二分割したようなイメージ」。そして、「クルマのボリューム感を出すためにタイヤを強調していることだ」と話す。これらは、『ヌォーヴァ500』や『500』にも共通するものだという。因みに、このボリュームを出す手法は、ジョルジェット・ジウジアーロも取り入れているという。
また、ジョリート氏がこの500Xをデザインするにあたり、最も大切にしたことは、「フロント部分のイメージを大切にしつつも、決して飾り立てるようなことはしないことだ」と説明。また、「サイズは少々大きくしながらも、腕白さ、アグレッシブさを出したいので、“鷹の目”のようなフロントライトを採用した」とした。
更に、「ピラーを太くして存在を感じさせつつも、視界を遮らないようにした」。これは、「例えばクーペのような閉鎖的な空間ではなく、室内にいると本当に視界が広く感じる効果を期待したのだ」とし、ピラーを太くした理由については、「堅牢なストラクチャーが必要であったことと、(Aピラーなどの)窓の数を増やしたくなかったからだ」と語った。