欧州の自動車最大手、フォルクスワーゲングループが、排ガス規制を逃れる目的で、違法なソフトウェアを車両に装着していた問題。この問題で、同社のトップが引責辞任する。
これは9月23日、フォルクスワーゲングループの監査役会が明らかにしたもの。「マルティン・ヴィンターコルンCEOからの辞任の申し出を受理した」と発表している。
この問題は9月18日、米国EPA(環境保護庁)の発表で発覚。フォルクスワーゲングループが、米国の排出ガステストの際、違法なソフトウェアを使用。このソフトウェアはテスト時に、排出ガス浄化機能をフル稼働できるものだった。
しかし、このソフトウェアを用いると、通常の走行時の排出ガス浄化機能は、大幅に低下。排出ガス中の有害物質のひとつ、NOx(窒素酸化物)は、米国の排出ガス基準の10-40倍にも到達。その後、同社は米国の約48万台だけでなく、全世界の約1100万台に、同様のソフトウェアが装着されている可能性を示唆していた。
ヴィンターコルンCEOに関しては9月上旬、2016年末までのCEOとしての任期を2年延長し、2018年末までにすることが内定したばかり。トヨタを世界新車販売と収益性で上回り、世界一の自動車メーカーになるという同CEOの目標は、志半ばにして、次の経営陣に委ねられることになる。