【BMW 340i 海外試乗】ゴキゲンな新6気筒に溜飲が下がる…河村康彦

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BMW 340i
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  • BMW 340i と河村康彦氏
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初代モデルの誕生以来、今年でついに40年。世界で1400万台以上を販売して来たという『3シリーズ』の人気が、決して“フロック”によるものなどではないことは、実際に自らステアリングを握ってみれば、今でも誰もが即座に納得出来るはずだ。

デビューから3年半。ライフ半ばと目されるこのタイミングでフェイスリフトが行われた現行6代目最新モデルのルックスは、「前後ライト・グラフィックの変更や、フロント・エプロンのリ・デザイン」といったメニューが伝えられはするものの、率直なところ従来型と並べても、さほど大きな差異が認められるものではない。

そうした印象はインテリアを眺めても同様。「マットブラックだったセンターパネルがハイグロス仕上げに変わり、空調ベゼル周辺にクロームアクセントを新採用して、よりエレガントな雰囲気を演出」と言われても、それは従来型のオーナーでないと気が付かない程度の、些細といえば些細なリファインに過ぎないのだ。

その一方で、そんな最新モデルの仕上がりに愕然とさせられたのは、これまでも「文句の付けようなどない」と思えていた走りの質感が、確実に、しかも予想以上の跳び幅で向上していたという事実。

今回、本拠地ミュンヘンを基点にテストドライブした個体には、これまでBMWが”得意技”として来たランフラット・タイヤが装着されていなかった点も考慮に加える必要はありそう。

が、それにしてももはや“超フラット”としか表現のしようのない圧倒的にスムーズでしなやかなフットワークや、これまで以上に自在度の高いハンドリングの感覚には、「終始唸らされっぱなしで、畏敬の念すらを覚えた」というのが本当のところなのである。

用意された新グレード『340i』が搭載する、新開発された3リットルのターボ付き直列6気筒エンジンが、8速ATとの組み合わせによって生み出すパワーフィールもゴキゲンそのものだった。

1500~1600rpm付近という常用域に、わずかに排気音がこもる領域があるのだけは残念なポイント。が、それを除けば、エンジン始動の瞬間から始まる“いかにも直6”なスポーティなサウンドも、回転数の高まりにきれいにリンクをしたパワーの盛り上がり感も、これまた文句ナシ!

こう書いてくると自身でも褒め過ぎのように思えてしまうが、こればかりは真実なのだから仕方がない。

実は、このところの“ダウンサイズ/レスシリンダー”エンジンには、ちょっとガッカリさせられるところも少なくなかったBMW車。が、少なくとも340iに関しては、それがまさに“溜飲が下がる1台”であることは間違いナシなのだ。

■5つ星評価
パッケージ:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

河村康彦|モータージャーナリスト
自動車専門誌編集部員を経て、1985年よりフリーランス活動を開始。現所有車はポルシェ『ケイマンS』、スマート『フォーツー』、そしてVW『ルポGTI』(ただしドイツ置き去り)。

《河村康彦》

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