現地21日、F1の下部カテゴリーにあたる「GP2シリーズ」に今季初参戦している日本人ドライバー、21歳の松下信治(のぶはる)がF1オーストリアGP併催戦のレース2で3位初表彰台を獲得した。
松下は昨年の全日本F3チャンピオンをホンダ系チームで獲得した若手。ホンダでは今季からのF1復帰と軌を一にするように、マクラーレンと組んで日本人ドライバーの欧州フォーミュラ戦線進出、将来のF1昇格をも目指せるサポート体制を構築しているが、昨季は国内トップ選手の伊沢拓也がホンダ枠の先陣役としてGP2に参戦し、今季はそこに松下がおさまった格好である。
松下の所属チームはART Grand Prixという有力チーム。チームメイトはマクラーレンのテストドライバーのひとりでもある、ストフェル・ヴァンドーンだ。
第4戦オーストリア(レッドブルリンク)の予選でヴァンドーンに続く2位となった松下は、レース1こそ4位に終わったが、5番グリッド発進のレース2で3位となり、初表彰台を獲得した(レース2のグリッドはレース1決勝順位に基づくが、1~8位はリバースとなる)。開幕のバーレーン戦でもヴァンドーンに続く予選2位を獲得していた松下だが、その時はレース1で10位。これまでの決勝最高位は開幕戦レース2の6位だった。
松下はGP2初表彰台となった一戦をこう振り返っている。「スタートはそんなにわるくなかったが、(レース1優勝で8番グリッド発進の)ストフェルとA.ロッシのスタートが良かった。そして、ロッシがスピンしたため、それを避けるのに少しロスをしたと思う。その後のレースはタフだった。でも自分のタイヤの状態は良かったので、ストフェルを抜けるんじゃないかとも思っていたんだけど、結果的には抜けずに終わってしまった。このコースで前車をパスするのは難しい。ただ、3位というのはわるいリザルトではない」。
「ベストを尽くし、プッシュし続ける。そして、今季はなるべく多くの表彰台フィニッシュを成し遂げたい」とも語る松下、今後のさらなる活躍に期待がかかる。
原則としてF1の欧州&近隣地域ラウンドとの併催、毎戦2レースが実施されるGP2は、今季これ以降もイギリス、ハンガリー、ベルギー、イタリア、ロシア、アブダビで開催予定。松下は今回の両レース好成績でポイントランク7位まで浮上している(首位はヴァンドーン)。