【スーパーフォーミュラ 第2戦】石浦宏明が可夢偉の追撃を振り切って初優勝

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【スーパーフォーミュラ 第2戦】石浦宏明が可夢偉の追撃を振り切って初優勝
  • 【スーパーフォーミュラ 第2戦】石浦宏明が可夢偉の追撃を振り切って初優勝
  • #38 石浦がSF岡山戦を制した。
  • 左から2位の可夢偉、優勝の石浦、3位の野尻。
  • 嬉しい初優勝を成し遂げた石浦。
  • 石浦宏明はこの勝利で目下のポイントリーダーに。
  • 決勝2位となった#8 可夢偉。
  • スタート前にチーム首脳らと話す可夢偉。
  • #40 野尻は決勝3位。

24日、全日本選手権スーパーフォーミュラ(SF)第2戦の決勝レースが岡山国際サーキットで開催され、ポール発進だった石浦宏明がレース後半の小林可夢偉の追撃を振り切り、SF初優勝を達成した。

この週末の天気予報は、日が近づくにつれ一転二転したところもあったが、結果的に決勝日は晴れ、ドライ路面での戦いとなった。スタート前の気温は29度、路温は47度と夏場のような暑さ。68周(250km)の戦いの火蓋を切るフォーメーションラップは午後3時にスタートした(出走19台)。

「スタートはいつもいいので、落ち着いていけば1コーナーは獲れると思っていました」という石浦(#38 P.MU/CERUMO・INGING/トヨタ)は、ポールポジションから首位の座を守って発進する。その後ろで好ダッシュを見せたのは予選5位のジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(#19 LENOVO TEAM IMPUL/トヨタ)。石浦が「バックミラーでJP(オリベイラ)がすごい勢いで真ん中をカッ飛んでくるのが見えました」というほどの出足で、オリベイラは2番手に浮上する。

スタートでは予選4位の可夢偉(#8 KYGNUS SUNOCO Team LeMans/トヨタ)も3番手にポジションアップ。予選2~3位の野尻智紀(#40 DOCOMO TEAM DANDELION RACING/ホンダ)と山本尚貴(#16 TEAM 無限/ホンダ)が4~5番手に順位を下げる格好となった。

各車1回の給油ピットストップはどこかで必要な状況下、その際にタイヤを4本すべて換えるか、あるいはリヤのみ2本交換にするか、それとも無交換か、さらには給油時間(量)をどうするか等々が作戦面の焦点となったが、結果的にいえばオープニングラップのトップ5、石浦、オリベイラ、可夢偉、野尻、山本の序列は、ピットで作業ロスがあったオリベイラが5位に下がった以外は動かなかった。つまり、石浦、可夢偉、野尻、山本、オリベイラの順で1~5位は決着するのだが、そのレース内容は天候状況同様に“熱い”ものだった。

特に後半、石浦を可夢偉が追いかけるかたちでのトップバトルは白熱。残り20周前後の頃、石浦の背後に迫った可夢偉はオーバーテイクシステム(OTS=約20秒間、燃料の最大流量が増す)も駆使して攻略を目指したが、石浦がこれを見事に凌ぎ切る。可夢偉はOTS使用時とその前後も含め、いろんなかたちで「(石浦に)プレッシャーをかけてミスを誘おうとした」のだが、「全然ミスをしてくれなかった」。石浦は、それくらい素晴らしい走りを見せていたのである。

「可夢偉選手がブレーキングでものすごく近づいてくる印象でしたので、僕も同じようなブレーキングをしてみたんですが、止まり切れない感じで(笑)。ですからそこはマネをしないで、自分のペース(走り方)を守っていこうと思いました。バックストレートエンドが(追い越しの)勝負どころだとも思っていたので、そこに絞って(トップを)守れるように走りました」と語る石浦は、「残りラップ数を数えながら、ミスしないように最後まで走ったら勝てた、というレースでした」と緊迫したバトルの末の初優勝を振り返ってもいる。08年のデビューから、途中2シーズンの欠場を挟んで参戦6年目の悲願達成だった。

7年ぶりのSF岡山戦を大いに沸かせた可夢偉は、SFデビュー2戦目で2位表彰台を獲得。「楽しめたと思います。今日のペースはわるくなかったですし。ただ、予選でもっと前にいかないと(勝てない)。このレースにおける予選の重要さもあたためて実感しました」。次戦以降のさらなる躍進にファンは大きな期待を抱くはずであり、それに応えてくれそうなムードも高まってきたといえるだろう。

SFは8位までが入賞。1~5位は前記した通りの順位で、6位はアンドレア・カルダレッリ(#20 LENOVO TEAM IMPUL/トヨタ)、7位には伊沢拓也(#11 REAL RACING/ホンダ)が入った。そして、まさかの予選13位だった開幕ウイナー、アンドレ・ロッテラー(#2 PETRONAS TEAM TOM’S/トヨタ)が8位に入り、貴重な1ポイントをもぎ獲った(完走15台)。

SFの次戦は約2カ月のインターバルを挟んだのち、7月18~19日、舞台を富士スピードウェイに移して開催される。

《遠藤俊幸》

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