京成電鉄、ATSのデジタル化など推進…2015年度投資計画

鉄道 企業動向
3000形は本年度、6両編成2本を増備する予定。客室内の照明は全てLEDにする。
  • 3000形は本年度、6両編成2本を増備する予定。客室内の照明は全てLEDにする。
  • 押上線押上~八広間の高架化工事では、下り線(右)の軌道工事と電気工事を実施する。
  • 京成津田沼駅では、乗換え通路の拡幅やエスカレーターの追加設置、トイレのリニューアルなどが行われる。
  • 異常時の運行状況や振替輸送を分かりやすく案内するための運行情報ディスプレイは本年度、新三河島駅など4駅に設置して全駅への設置を完了させる。

京成電鉄はこのほど、本年度の鉄道事業設備投資計画を発表した。総額111億円を投じ、災害に備えた補強工事や自動列車停止装置(ATS)のデジタル化、車両の増備などを行う。

災害対策では、京成津田沼駅とユーカリが丘駅の駅舎、京成上野~国府台間などの高架橋柱、トンネル中柱の耐震補強工事を実施。このうちトンネル中柱は本年度中に京成上野~日暮里間と押上~京成曳舟間で補強工事を行い、全線の対策を完了させる。

また、風水害対策として線路脇斜面の補強工事も行われる。工事が行われるのは京成成田駅や京成臼井~京成佐倉間など7カ所で、このうち京成成田駅は駅南側の補強工事を完了させる。このほか、線路脇に側溝を整備して線路内への雨水流入を防ぐ。

安全対策では、引き続きデジタルATS(C-ATS)の整備を進める。本年度は押上線と千葉線、東成田線でC-ATSの整備を完了させる予定。これにより全線の約9割にC-ATSが導入され、残る千原線も2017年度にC-ATSが導入される予定だ。車両については3000形電車の増備を引き続き実施し、本年度は12両(6両編成2本)を導入する。このほか、軌道のずれが生じにくいラダー枕木への交換や、3次元レーザーレーダー式の踏切自動障害物検知装置への更新などを行う。

押上線の連続立体交差事業(連立事業)は、東京都墨田区内の押上~八広間で引き続き工事を推進。上り線が2013年8月に高架化されており、本年度は下り線の軌道工事と電気工事を実施して2016年度の事業完了を目指す。葛飾区内の四ツ木~青砥間では用地買収を進める。

サービス向上の分野では、駅の改良工事などを実施する。このうち京成津田沼駅の駅舎改良工事は、本年度に完了する予定。エスカレーターの追加設置や乗換え通路の拡幅、トイレのリニューアルを行うほか、京成電鉄では3駅目となるウォークインタイプの改札窓口を設ける。他の駅でもトイレのリニューアルや運行情報ディスプレイの設置などを実施する。

環境対策では、駅や車内照明の発光ダイオード(LED)化を推進。3000形の本年度増備分は客室内の照明を全てLEDにし、既存車両の3700形電車16両(8両編成2本)も車内照明をLED化する。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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