ホンダ『ステップワゴン』のカラーコンセプトは朝食の食卓をイメージしているという。
本田技術研究所四輪R&Dセンターデザイン室3スタジオの濱村奈奈絵さんは、標準のステップワゴンのボディカラーについて、「家族みんなが共有する時間をカラーで表現しようと考えたときに、1日の始まりである朝食の食卓はどうかと思った」という。
「その食卓を彩る食器も、家族はこだわって選んでいるだろう。そういった中にはミルクグラスもあるかもしれない」と濱村さん。ミルクグラスとは乳白色をしたガラスで、1900年代のビンテージ食器で有名だ。そこで、そのイメージを新色“ミルクグラス・パール”に採用。「その食器を買うくらいのこだわりを持っている家族の人に、共感してもらえないかなと思っている」と話す。
スパーダは、「一人で酔いしれたいので、こだわったクリスタルグラスの感じが表現できないかと考えた色。スパイスパープルというネーミングは、少し知的、硬派な印象に見えるパープルだと思ってもらいたい」と説明する。
インテリアカラーについて濱村さんは、「基本の内装色から見直しを図り、子供でも安心して乗り降りしてもらえるようにした」と述べる。具体的には、ドアライニングやステップガーニッシュなどに、汚れが目立ちにくい色味を選んだ。そのうえで、「基本内装色を作り直した」。その結果、ブラウンと撥水加工したアイボリーを設定。
スパーダは、「車格感を上げたいのでこのクラスでは久々に織物を使った。通常織物を使うと、かっちりとは出来るがクッション性が妨げになってしまう。そこで今回は織物の組織感を見直したほか、濃淡をつけて編み込むことで、立体的に見えるよう錯覚を利用するなど工夫をした」とし、プレミアム感を演出していると語った。