スズキは5月11日、2015年3月期決算と今期(16年3月期)の業績予想を発表した。今期の連結営業利益は主力のインド販売の伸びなどにより前期比6%増の1900億円と2期ぶりの最高を見込んでいる。
今期の四輪車世界販売は4%増の297万9000台と過去最高を計画しており、インドは10%増の約129万台と高い伸びを目指す。営業損益段階では原価低減で290億円の増益効果を見込むが、為替はユーロ安の影響を中心に90億円の減益要因となる。純利益は14%増の1100億円の予想で、これも2期ぶりで最高を更新する。為替は1ドル115円、1ユーロ125円を前提にした。
鈴木修会長兼社長は記者会見で「生き残るためには、やはり(販売台数と収益の)二兎を追わないといけない」と述べ、国内軽自動車での一定のシェア確保など、攻めの姿勢で臨む方針を示した。15年3月期は、売上高が2.6%増の3兆155億円と、08年のリーマン・ショック後では初めて3兆円台まで回復した。
しかし、リコール費用の引き当てなどもあって営業利益は4.4%減の1794億円、純利益は9.9%減の969億円となり、いずれも09年3月期以来6期ぶりの減益だった。